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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

図書館戦争,図書館の自由が侵される時,我々はあくまでも自由を守る

有川浩の「図書館戦争 図書館戦争シリーズ1」(角川文庫)を読了しました。

図書館戦争シリーズ 1-6巻セット

図書館戦争シリーズ 1-6巻セット

 

「メディア良化法」なる公序良俗を乱し,人権を侵害する表現を取り締まる法が成立して30年後の2019年を舞台とした架空の物語だ。「メディア良化法」は検閲に関する権限が曖昧で,検閲の基準が執行者の恣意で左右されるものだから,その検閲権に対抗する勢力として,通称「図書館の自由法」が成立する。

いわばメディア作品を取り締まる側とメディア作品の自由を守る側の戦いの歴史には,銃火器も登場し,多くの血が流されてきたというから,現実の社会からすればかなり奇想天外な話である。

本を焼く国ではいずれ人を焼く

歴史的にメディア作品を恣意的に取り締まると,その後には,民すらも恣意的に取り締まるということを意味している。

何やら堅い話のような紹介になってしまったが,そんなことは全くない。というのも,主人公である新人図書隊員の笠原郁を中心として,登場人物たちの会話が非常に軽快であり,ユーモラスだからだ。

図書館戦争シリーズには続編があるそうだから,そちらにも興味がわいてくる。

本書の中の図書館は,現実の図書館の姿とかけ離れ,自衛隊なみの専守防衛力を有しているのであるが,その根拠となる図書館法第四章「図書館の自由」にある条文を紹介しておこう。

第34条 図書館の自由が侵される時,我々は団結して,あくまで自由を守る。

 自由が侵されるときは,自由を守るために闘わなければならないということですね。