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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

無(最高の状態)

『無(最高の状態)』(鈴木祐,クロスメディア・パブリッシング,2021年7月1日)を読了。

日本に禅の思想を広めた 13 世紀の僧・道元は,『正法眼蔵』にこんな言葉を残しました。

仏道をならうというは,自己をならうなり

 自己をならうというは,自己をわするるなり」

精神をトレーニングするには,ただ自己を学ぶことが重要であり,他のことに手を出す必要はない。自己について学び続けさえすれば,やがて自己は消えていくものなのだと道元は言ったのです。(位置 No. 1233)

自己を学び続ければ,自己は消えていくという境地に達するのか。

過去の失敗もまた積極的に降伏すべき対象のひとつです。失敗の反省は良いことのようですが,ノースイースタン大学などの調査では,過去の過ちを何度も省みる人ほど自己破壊的な行動が増え,アルコール依存や過食に走りやすい事実があきらかにされています。おそらく失敗の記憶が脳に慢性的なストレスをあたえ,現実逃避のモチベーションを高めるのでしょう。この問題を解決するには,過去の失敗が変えられないことをアクティブに認めるしかありません。(位置 No. 1691)

(アルコール依存,過食に走らないために)過去の過ちは省みても,変えることができないことを認めよう。

仏典翻訳家の大竹晋は,無我に関する最古の証言として,5 世紀の禅僧・菩提達磨が残した言葉を取り上げています。

「迷いにあるうちは心が景色に包まれている。見性してからは心が景色を包んでいる」(位置 No. 2302)

心と景色の位置関係で,迷いの有無を知る。

「悟後の修行」は禅の世界で使われる言葉で,生涯にわたって精神の修養を続ける姿勢のことです。本書のトレーニングで何らかの改善を実感したとしても,そこで止まらずにただ同じ作業を続ける意識が重要になります。(位置 No. 2528)

レーニングはやめず,やり続ける。