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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

世界の DX はどこまで進んでいるか

DX に携わる者として,気になるのは「世界の DX はどこまで進んでいるか」ということ。そんなタイトルの『世界の DX はどこまで進んでいるか』(雨宮寛二,新潮社,2023年7月20日発行)を読んでみた。

時代は,物そのものが価値を生み出す有形物中心の社会から,データや知識が価値を高める無形の付加価値中心の社会,すなわち,「データ駆動型社会」へとシフトしています。今後,社会や産業は,サイバー空間というコンピューターやネットワークで構成された多層的な三次元の世界で大きく変容を遂げていくことになります。(p. 7)

データや知識から価値を高める無形の付加価値社会,「データ駆動型社会」へとシフトできるように準備する。

構造化データは,エクセルファイルなどで表現される「列」と「行」の概念を持つデータであることから,どこにどのようなデータがあるかは列と行により決められているため,データ検索や集計などが行い易くデータ解析や分析にも適しています。

一方,テキストや画像,動画,音声といった非構造化データはデータ単体で意味を持ち,業務用途がそれぞれで異なるため,データベースで扱うことが難しいデータになります。(p. 34)

構造化データと非構造化データの特徴を知っておく。

DX によって全体最適化を図るうえで,あるべき姿を明確にすることが重要である理由は,以下の 3 つに集約されます。(pp. 82 - 83)

  1. 方向性の確保
  2. モチベーションの確保
  3. リーダーシップの確保

あるべき姿を明確にして,方向性,モチベーション,リーダーシップを確保する。

デジタルスキルを持つ人材を社内で育成することができれば,外部から大量採用するよりも,コスト面での負担を抑えることができます。また,従業員は既にオペレーションなどの社内業務を理解していることから,新たに業務を理解させる必要のある外部雇用とは異なり,DX へのスムーズな着手も可能となるのです。(pp. 111 - 112)

業務のことをよく知っている従業員にデジタルスキルを身につけさせる。

DX の本質が,「自社のビジネスを全体最適化していかにして持続的な競争優位を構築するか」にあるのも,こうした経緯から読み取れます。(p. 123)

デジタルによって生まれ変わり,発展し続ける組織となる。

現在マイクロソフトが新たなプラットフォームとして開発を進めているのが,「複合現実(MR : Mixed Reality)」です。マイクロソフトはこの MR を,1970 年代の「メインフレーム,1990 年代の「PC」,2000 年代の「スマホ」に続く第 4 のプラットフォームと位置付けています。(p. 193)

スマホ」に続くのは「複合現実」なのか。

スピーディな DX の推進には,必然的に,スピーディな実装やトライ&エラーが実行できる体制の構築が求められることになります。そうした構築が自社単独で行うことができれば問題はありませんが,多くの場合,DX が未踏の道のりであることから,自社だけでは実行が不可能なプロセスや課題が生じることになります。そうした自社単独では不可能な部分に,ソリューションパートナー企業のノウハウとテクノロジーをピースとして埋め込むことができれば,スピーディな DX 推進が可能となります。(p. 213)

DX の推進には,スピーディな実装やトライ&エラーが不可欠。実装できる力を身につけ,失敗から学ぶ風土を作る。