『境界線』(中山七里,NHK 出版,2020年12月21日)を読了。
いったい何が復興かと思う。失った町と失った暮らしを元に戻すよりスポーツの祭典が大事なら,事ある毎に為政者が口にする復興とはただの言葉遊びではないか。(位置 No. 25)
スポーツの祭典と復興は,切り分けて考えた方がよいのではないか。
予言や世界の滅亡を嬉々として語っているのは,大抵クラスでも成績が下位のヤツらばかりだ。言い方を変えれば,賢さもなく秀でた能力も持たない人間が現状を破壊してほしくて騒いでいるだけだ。(位置 No. 2327)
現状を変えるのは自分なのだから,予言や世界の滅亡を語らないようにしよう。
「間違った方向に行こうとする子どもを注意するのは大人の役目だ。そのためには殴ってもいい」(位置 No. 2821)
間違った方向を正さなければ,取り返しのつかないことになる。
同じ喪失と死を目の当たりにしたにも拘わらず,自分は怯え,鵠沼は無頓着になった。いったい,この差異は何に起因するものか。二人を分け隔てた境界線はどこにあったのか。(位置 No. 3739)
境界線はどこにあったか,が本書のテーマなのか。
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