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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

ルポ 死刑 法務省がひた隠す極刑のリアル

『ルポ 死刑 法務省がひた隠す極刑のリアル』(佐藤大介,幻冬舎,令和3年11月)を読了。

いつ,誰を死刑に処するかの権限は事実上,法務官僚に握られており,その手続きに外部からの検証を加えることはできない。さらに,確定死刑囚は外部との接触が厳しく制限されており,その姿をうかがい知ることも極めて難しい。死刑囚は,執行で生命を絶たれる前に,刑の確定によって社会から「抹殺」された存在になると言ってよい。(位置 No. 35)

いつ生命を絶たれるかわからない死刑囚は,どんな気持ちで毎日を過ごしているのだろうか。

主要先進国で死刑執行を続けている国は日本と米国(州によっては廃止)のみで,日本は欧州連合EU)などの国際社会から批判を浴びてきた。だが,法務省はそれらに耳を傾けずに執行を続け,死刑制度を維持する姿勢を崩していない。法務省は,死刑制度を維持する理由に「国民の支持」を挙げるが,同時に死刑に関する情報公開には消極的という,極めてバランスを欠いた状態が続いている。(位置 No. 49)

私にとって,死刑制度は遠くの存在に感じている。死刑制度の在り方について国民的な議論がない現状,死刑制度は今後も残り続けるのだろう,と予測。

2007年10月,ソウル中心部にあるプレスセンターで開かれた,市民団体の主催による「死刑廃止国家宣布式」に参加した金大中氏は「誤判や独裁権力によって抹殺された命がどれほど多いか。死刑は犯罪を抑止しない。罪を犯した者の更生の機会も奪う制度には賛成できない」と訴えている。(位置 No. 2750)

2007年末,国際人権団体アムネスティ・インターナショナルによって,韓国は「実質的死刑廃止国」に認定されている。