Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

逃亡刑事

久し振りに小説を手に取る。手にしたのは,ハードボイルドな女性刑事の活躍(逃亡)を描いた『逃亡刑事』(中山七里,PHP 研究所,2017年11月20日)。

どんなに疲弊し,どれだけ腐敗した組織にも最低限のモラルがある。職業人としての矜持と言ってもいい。司法機関に携わる者であればそれは尚更に要求され,また,それがなくては任務を遂行できない。矜持と,誇りがあるからこそ昼夜を問わない激務にも耐えられる。(位置 No. 1072)

私の矜持と誇りは,一体何になるか。

「称賛された時は素直に受け,控えめに誇り給え。それが組織の中で長らえる秘訣だ」(位置 No. 1185)

称賛されたときの心構えとしよう。

手錠と拳銃を貸与されていた時,自分の行動は全て正義に基づいたものだと信じていた。また,そうと信じなければ部下の意志を統率し,蔓延る犯罪を一掃することなどできないと思っていた。一般市民からどう思われようと,与えられた権力を正しく行使すればいいと自分に言い聞かせてきた。

だが,それは大きな錯覚ではなかったのか。

自分が正義と信じるものは,ひどく狭義のものではなかったのか。(位置 No. 2555)

自分が正義と信じるものは,自分の価値観に基づくものでしかない。

「何故,自分の頭で考えようとしない。何故,自分の経験に基づいて行動しようとしない。上からのお達しは何から何まで正しいと本気で信じているのか」(位置 No. 3413)

自分の頭で考えようとしないのは,どんな業界にでもありうることか。

「人にはいくつもの顔があって,いくつもの言葉を持っている。その都度その都度変わっていく。あの玄葉にしたってそうだ。わたしたちにはとんでもない悪党だが,警察や自分の家の中では優秀だったり,善良だったりする。人はそんなに単純なものじゃない。単純でないものを単純に分類すると,取り返しのつかない間違いを犯す。お前は絶対にそんなことをするな」(位置 No. 4091)

世の中は単純ではないので,単純に分類しようとしない。

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