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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

私も先延ばしすることはあるが,私の部下は私と比較にならないくらいに先延ばしをする。ヒトはなぜ先延ばしするのかというテーマに立ち向かうため『ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか』(ピアーズ・スティール 著,池村 千秋 訳)を読了。

先延ばしとは,「自分にとって好ましくない結果を招くと知りながら,自発的にものごとを延期すること」と定義できる。(位置 No. 170)

この先延ばしの定義は腑に落ちる。

私たちには,ものごとが遅れている状態を改めようとするのではなく,言い訳を見つけようとする習性がある。(位置 No. 268)

毎週,チームメンバーのタスク管理を行っているが,先延ばし癖のあるメンバーは,言い訳が多い。

私たちは概して長期の目標を抽象的に感じるので,その目標に向けた行動を先延ばしにしがちになる。時間が過ぎて,それが目前の目標に変わり,具体的に感じられるようになって,ようやく取りかかる。(位置 No. 558)

抽象的に感じて先延ばしするのであれば,具体的に感じるまで目標を分解する。

期待 × 価値 / (衝動性 × 遅れ)

これで「先延ばし方程式」の完成だ。*1(位置 No. 645)

先延ばし方程式の言わんとしていることを理解しておく。

あなたはこれまでいったい何年,「明日ぜったいにやる」と自分に言い訳して,神から賜った時間を無駄遣いしてきただろうか。もう気づいたほうがいい。あなたは宇宙の一員であり,自然から生まれた存在である以上,自分に与えられた時間に限りがあるのだということに。(マルクス・アウレリウス『自省録』)

与えられた時間に限りがあることを自覚し,時間を無駄にしない。

旧約聖書のアダムとイブの前に差し出された誘惑は,蛇が売り込むリンゴだけだった。いまや誘惑の果実は,キャラメルとチョコレートでコーティングされて,テレビ CM や新聞の折り込み広告,ウェブサイトのポップアップ広告など,巨額の予算をかけた大々的な宣伝を通して売り込まれている。強い誘惑が身のまわりに増えれば,先延ばしが深刻になることは避けられない。(位置 No. 1498)

誘惑が増えれば増えるほど,先延ばしが深刻になってしまう。

仕事を先延ばしにする人が最もよく口にする言い訳は,「追い込まれたほうがいいアイデアが浮かぶんですよ」というものだ。そう感じる理由は,非常にはっきりしている。締め切り間近にならないと仕事に手をつけないとすれば,もっぱら締め切り直前にアイデアが生まれるのは当たり前のことだ。(位置 No. 1591)

追い込まれないと動けない人の成果物は,たいてい大したことがない。

私たちは未来の課題の所要時間を予測するとき,過去に同様の課題に要した時間を思い返す。しかしその際,過去の所要時間を実際より短く考え,課題達成の過程でつぎ込んだ努力と直面した障害を軽く考えてしまう。この計算違いにより,先延ばしの弊害にますます拍車がかかる。締め切りから逆算してぎりぎり間に合う時間に作業を始めたつもりが,残された時間では十分ではなかった,という結果になりかねない。(位置 No. 2189)

課題達成の過程でつぎ込んだ努力,直面した障害も記録に残して,次の課題の見積りに活用する。

コツは,取り組みやすい課題から始めて,少しずつ順を追って進歩していくようにすること。そして,意思がくじけそうになる大きな課題を小わけにして,手に負える範囲のものにすることだ。「一頭の巨大なゾウをたいらげたければ,一度に一口ずつ食べよ」の精神で,難しいプロジェクトを小さなステップにわけ,早い段階でなんらかの成果を手にできるようにすればいい。(位置 No. 2276)

大きな課題は,自分で解決できる大きさまで分解しておく。

ものごとを後回しにするのは悪魔と取引するに等しいと,ドイツの文豪ゲーテは傑作『ファウスト』で書いている。(位置 No. 2525)

今日の一日をだらだらと過ごせば,明日も同じ繰り返しになる

しかも,明日はそれがますますひどくなる

一つひとつの先延ばしがさらに遅れをもたらし

無駄にした日々を悔やむことで,また時間を無駄にする

あなたは,真剣に生きているだろうか?いまこの時間を大切にせよ

勇気をもって行動してこそ,才能と力と魔法が生まれる

ものごとを実行してはじめて,頭脳が活発に動く

取りかかるのだ。そうすれば,課題は完了する!

ものごとを後回しにすることは悪である,と肝に銘じる。

「基本的に,時間切れが近づくと,人間はいちばん真剣に仕事をする。その意味では,非効率にならない範囲で,なるべく細かくゴールを設定したほうがいい。少なくとも,定期的に会議を開いて部下の仕事の進捗状況をチェックして,その都度,新しいゴールを設定する必要がある。でも,もともとモチベーションが高くて,上司にゴールなんて決めてもらわなくても大丈夫な人と,ゴールを決めてもらう必要性が高い人の両方がいることは忘れるなよ」(位置 No. 3809)

時間切れ間近でなければ仕事をしないのであれば,毎日,締め切りを設定する。

*1:厳密に言えば,計算式の分母に小さな定数を加える必要がある。たいていは,1 を加える。つまり,分母は (衝動性 × 遅れ + 1) となる。この定数を加える主な目的は,衝動性もしくは遅れが 0 に近づいた場合に,計算式の値が極端に大きくはね上がるのを防ぐことにある。