Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

悪い夏 染井為人

『悪い人』(染井為人,角川文庫,令和2年9月24日発行)を読了。

生活保護受給者の多くは年金暮らしの者よりも多額の金を得ている。真面目に年金を納めてきた者よりも,そうでなかった者が得をするという納得しがたい現実がある。これを不公平と言わずして,何と称すればいいのだろうか。(位置 No. 355)

不公平と言うしかない。

「こういうのは根比べよ。我々が負けたら日本はズルしたもん勝ちの,プライドも尊厳もない国家になり下がるでしょう。そういう意味ではわたしたちって,国のモラル低下を塞き止める防波堤なんだと思う」(生活福祉課のエース・宮田有子のセリフ,位置 No. 874)

年金,生活保護の類をなくして,日本国民全員にお金を均等配分するという方法が合理的に思えるが,どうだろうか。

一緒に暮らしてみて,愛美の常識からかけ離れた考え方には度々驚かされてきた。きっとそれは育った環境によるものだろう。人間は環境の産物なのだ。(位置 No. 3174)

常識のない人は,環境の産物であるから,受け入れるしかないのか。

育った環境の違う人は,相容れないのか。

取るに足らぬ出来事で思い悩み,もがいている人というのはどこか滑稽に映って見えます。ところが,我が身に同様の出来事が降り掛かったとき,人は同じように思い悩み,もがき苦しむのですから,人間とは実に度し難い生き物です。(あとがき,位置 No. 4440)

思い悩み,もがき苦しむことはしたくないが,そんなことは避けられない。