2020年10月5日
『経営が元気になる「システム開発」の極意』(植村 隆文,2013年4月12日)を読了。
「要するに,システム開発っていうのは,社長から現場までちゃんとコミュニケーションをとって,意思統一した上で,寄り道せずに,目的地までの最短距離をチームで走っていけばいいのね」(p. 4)
社長から現場まで,さまざまな人がいる中,意思統一した上で,寄り道せずに,目的地まで最短距離を走るのは,難しい。
「システム開発は物品調達と同じ」という誤解。それが第一の要因である。(p. 14)
システムは物品ではない。
「システムは万能。何でもできる」という妄信。これが第二の要因である。(p. 19)
システムは万能ではない。
「システム開発の 80 % は最初の設計で決まる」とよく言われるほど,周到な最初の設計が実は最も重要な作業なのだ。(p. 38)
システム開発の最初の設計には,妥協しない。
「DSJ 」とは「Design-leading System by Joho section」の略であり,(発注側の)情報システム部門が中核主体となって,経営戦略を反映させ,きちんと設計を実施した上で,プログラミングを行う,システム開発の手法である。(p. 52)
私が勤めている会社では,そもそも情報システム部門が中核主体になれていない。
DSJ 方式の設計(p. 103)
DSJ 方式の設計項目それぞれについて,イメージを持っておく。
【会議】(p. 109)
- 打合せの成果の確認と承認を行う場。
- 全体の進捗状況と懸案事項の情報を共有する場。
- 懸案事項についての対応方針を確認する場。
【打ち合わせ】
- 担当者間で,仕様などの確認を行い,意見交換する場
- 担当者間で,スケジュールの確認と懸案事項の洗い出しを行う場
- 担当者間で,個別の問題点や課題について,対応策を検討する場
会議と打ち合わせの意味を使い分ける。
「ユーザーの言うことは鵜呑みにするな」(p. 132)
ユーザの言うことは,あくまでも 1 ユーザの言うことに過ぎない。
システム開発のベースは人件費だ。コスト=工数(人月)であり,誰が何日かけて,今月はどのくらいの出来高であるという予実算管理がなければ,費用はいくらあっても足りない。(p. 162)
システム開発の委託先だけではなく,社内でどれくらいコスト(人件費)をかけているのかも把握しておく。