2020年4月15日更新
『21 世紀のビジネスにデザイン思考が必要な理由』(佐宗 邦威,クロスメディア・パブリッシング,2015年9月1日発行)を読了。
イノベーションを担う 3 つの輪
- 構想:人間にとって望ましい姿を構想する=デザインの役割
- 実現:再現性をもって実現することを可能にする=エンジニアリングの役割
- 商売:社会にとって影響力を広げていく商売の仕組みをつくる=ビジネスの役割
構想,実現,商売のうち,私は構想に注力したい。
そんな問題意識を持っていたとき,『ハイ・コンセプト』(ダニエル・ピンク 著,大前 研一 訳,三笠書房,2006)という本に出会いました。
21 世紀を知的労働者の時代と呼び,「新しいことを考えだす人の時代」における「6 つの感性」として,共感,デザイン,物語,遊び心,全体の調和,意義が挙げられていたのです。
知的労働者の時代であれば,多くの人がテレワークできるだろう。
知的労働者になれていない人は,テレワークできない。
また,「顧客の声は聞くな」という創業者の言葉も印象的でした。目の前に現れているニーズを満たすための顧客視点のマーケティングから,まだ現れていない潜在的なニーズを読みカタチにしてみせる,という違ったノウハウの必要性を感じたのです。
顧客は,潜在的なニーズに気づけていない。
あるコミュニケーションデザイナーの方は,「パワーポイントのプレゼンテーションなんて当たり前すぎて面白くない。聞き手が腹落ちするためには,どういう表現の仕方がよいかをゼロベースで考えます」とおっしゃっていました。
パワーポイントの資料に注力するよりも,聞き手に腹落ちしてもらう表現を考える。
計画を立てるのに必要なコストはどんどん上がっているのに計画自体はそれほど正確でも有益でもありません。しかし強力なコンパスを持つことで目指すべき方向がわかりました。地図よりもコンパスを。(伊藤 穣一(MIT Medialab 所長))
目指すべき方向については,見失わないようにしたい。
たとえば 1 冊の本を読むだけでも,その気づきを記したポスト・イットが 20 ~ 30 枚にもなります。それに関連するテーマの本をあと 2 冊読むと,合計 50 ~ 60 枚くらいのポスト・イットになります。これらを組み合わせて並び替えると,あるテーマを自分なりに編集し直した仮説のようなものができ上がります。
その内容を抜粋してブログに書いたり,パワーポイントに落としておけば,誰かと話すときにそれを参照してさらに新たな切り口を得たり,ふとしたときに得た情報がさらに膨らみます。
本を読むときに,ポスト・イットをつけるようになってから,気づきをしっかり拾えるようになった。
このブログも,ポスト・イットをつけているから書くことができている。
今後は,気づきを自分なりに再構築し,アウトプットを増やしていきたい。
スタンフォード大学 d. school と IDEO 創業者でもあるデイビット・ケリーはその著書『Creative Confidence(邦題:クリエイティブマインドセット)』の中で,「長年企業と働いていた経験のなかで,周囲の環境が”クリエイティビティを殺してしまう”環境である場合に役立つデザイン思考の実践方法の 9 つのヒント」を紹介しています。
- 自分が想像力を持っていることを信じつづけることを強く決意する
- 日々,旅人のような気持ちで,周りの世界から新しい発見を探そうとする
- 常にリラックスし,周囲にオープンな雰囲気をつくりだす
- ユーザーに寄り添い,共感しようとする
- まず,現場に行って観察しようとする
- 「なぜ」を繰り返す
- 目の前で問題が見えていても,視点をずらして,本質的課題に置き換える
- 自分の想像力を応援してくれるネットワークをつくる
- 偶然の出会いを大事にする
9 つのヒントを心掛けたい。
特にイノベーションの構想段階では,「まだ見たこともないものを提案する」ため,「美しく魅力的に見える」ということが,プロジェクトを前に進める上で強力なパワーとなります。
「美しく魅力的に見える」世界観を描きたい。
「ID での秋学期を通じ,想像以上に多くのものを手に入れている。瞬間瞬間に学び,全身の細胞で学びを吸収している感覚がある」(佐々木 康裕)
全身の細胞で学びを吸収している感覚は,体験してみたい。