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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり,政治家はネコになる

今週のお題「最近おもしろかった本」への投稿

Amazon で薦められるがままに,本書を購入。

『22世紀の民主主義 選挙はアルゴリズムになり,政治家はネコになる』(成田悠輔,SB クリエイティブ,2022年7月15日)を読了。

  • 第1章 故障
  • 第2章 闘争
  • 第3章 逃走
  • 第4章 構想

私たちには悪い癖がある。今ある選挙や政治というゲームにどう参加してどうプレイするか?そればかり考えがちだという癖だ。だが,そう考えた時点で負けが決まっている。「若者よ選挙に行こう」といった広告キャンペーンに巻き込まれている時点で,老人たちの手のひらの上でファイティングポーズを取らされているだけだ,ということに気づかなければならない。(位置 No. 24)

私が選挙で一票を投じることに,どれほどの影響があるのか。

何かを変えたいのであれば,選挙ではない方法を選択するだろう。

無意識民主主義は大衆の民意による意思決定(選挙民主主義),少数のエリート選民による意思決定(知的専制主義),そして情報・データによる意思決定(客観的最適化)の融合である。(位置 No. 138)

選挙民主主義,知的専制主義,客観的最適化のそれぞれのメリットを活かす。

人類は世の初めから気づいていた。人の能力や運や資源がおぞましく不平等なこと。そして厄介なことに,技術や知識や事業の革新局面においてこそ不平等が大活躍すること。したがって過激な不平等を否定するなら,それは進歩と繁栄を否定し,技術革新を否定する,仮想現実に等しいことを。(位置 No. 330)

不平等はあって当たり前。解消できるはずもない不平等にとらわれているから,進歩と繁栄に注力できない。

世論に耳を傾ける民主主義的な国ほど,今世紀に入ってから経済成長が低迷しつづけている。(位置 No. 369)

真に経済成長を推し進めるのであれば,世論に耳を傾けず,突き進めばよい。

確かに,選挙という絆で結ばれた有権者と代議士・政治家の二人三脚は脆い。代議士や政治家は有権者に痛みを伴う即決即断や未来のための改革が苦手で,庶民の直感に反した専門家判断や技術的判断も敬遠しがちだからだ。(位置 No. 629)

  • 痛みを伴う即断即決
  • 未来のための改革
  • 庶民の直感に反した専門家判断や技術的判断

これらが行われてこなかったツケがたまっている。

説明しやすい政策に政治家が流れがちなのは,政治家がバカだからでも悪徳だからでもない。水が高きから低きに流れるがどとき自然現象である。この法則がネットと SNS で強化され,技術や社会の複雑さと加速度が増した今世紀にますます深刻になっている。(位置 No. 641)

説明しやすい政策で,世の中がよくなるとは思えない。

民主主義という理念の背景には,「メディアや教育を通じてそれなりにきちんとした情報を持って,それなりにしっかりと考えて判断できる人々が,集まって議論した上で投票して何をやるか決める」という人間観・社会観がある。しかし,メディアや教育がこの人間観・社会観を維持できていない。(位置 No. 1163)

世の中に課題を感じていない人は,集まって議論することもない。

民主主義という理念だけでは,いずれ立ち行かなくなりそう。