数値解析を目的としたプログラミング言語である GNU Octave を起動したとき,Octave 環境に個人的な変更を加えるファイル「.octaverc」について説明する。
GNU Octave は,MATLAB とほぼ互換性のある数値実験用プログラミング言語として使用できる。GNU Octave は Scilab よりも MATLAB との互換性維持に重点を置いており,筆者は MATLAB から GNU Octave へ容易に移行できた*1。
.Octaverc とは
Windows10 の場合,「.octaverc」という名前のファイルに,Octave 環境に個人的な変更を加えるコマンドを記載し,ホームディレクトリ「C:\Users\****」(**** はユーザ名)に保存するだけでよい。
公式サイト(octave.org)における「~/.octaverc」の説明は以下の通り。
This file is used to make personal changes to the default Octave environment.
本ブログ読者の多くは英文の意味を理解することは朝飯前だと思われるが,念のため,Google 翻訳したものを以下に示す。
このファイルは、デフォルトのOctave環境に個人的な変更を加えるために使用されます。
私の .octaverc
なお,私の「.octaverc」には,グラフの書式を変更する内容を以下のように記載している。
# 軸の目盛り set(0,'defaultAxesFontSize',14); set(0,'defaultAxesFontName','Times'); # タイトル等 set(0,'defaultTextFontSize',18); set(0,'defaultTextFontName','Times'); # 線幅 set(0,'defaultLineLineWidth',3);
上記の内容を「.octaverc」に記載しておくことで,都度グラフの書式や線幅などを指定することなく,お気に入りの書式や線幅で,グラフを出力することができる。
.octaverc に記載した内容
- グラフの軸の目盛りのフォントサイズは 14 pt,フォントは Times
- グラフのタイトルのフォントサイズは 18 pt,フォントは Times
- グラフの線幅は 3 pt
(参考)PostScript の標準フォント
Octave で使用できる PostScript の標準フォントを以下に示す。
- セリフ体 Times,Times-Italic,Times-Bold,Times-BoldItalic
- サンセリフ体 Helvetica,Helvetica-Oblique,Helvetica-Bold,Helvetica-BoldOblique
- 等幅体 Courier,Courier-Oblique,Courier-Bold,Courier-BoldOblique
- ギリシャ文字 Symbol
なお,公式サイト(octave.org)における「.octaverc」の説明は以下の通り。
This file can be used to make changes to the default Octave environment for a particular project. Octave searches for this file in the current directory after it reads ~/.octaverc. Any use of the
cd
command in the ~/.octaverc file will affect the directory where Octave searches for .octaverc.If you start Octave in your home directory, commands from the file ~/.octaverc will only be executed once.
Google 翻訳した「.octaverc」の説明は以下の通り。
このファイルを使用して、特定のプロジェクトのデフォルトのOctave環境を変更できます。 Octaveは、〜/ .octavercを読み取った後、現在のディレクトリでこのファイルを検索します。 〜/ .octavercファイルでcdコマンドを使用すると、Octaveが.octavercを検索するディレクトリに影響します。
ホームディレクトリでOctaveを起動すると、〜/ .octavercファイルからのコマンドは1回だけ実行されます。