Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

「幸せをお金で買う」5 つの授業

2021年5月14日

『「幸せをお金で買う」5 つの授業』(エリザベス・ダン,マイケル・ノートンKADOKAWA,2014年2月22日)を読了。

富を得ることを考えただけで,人は他人を遠ざけるようになり,幸福を台無しにしてしまう場合があるのです。(位置 No. 151)

富を得ることばかりを考えて,幸福を逃さないようにしたい。

貧乏はお金持ち――「雇われない生き方」で格差社会を逆転する 橘 玲

2021年5月12日

『貧乏はお金持ち――「雇われない生き方」で格差社会を逆転する』(橘 玲,講談社,2013年6月1日)を読了。

ここにきて格差問題は,規制緩和グローバル資本主義によって引き起こされたというよりも,日本的な雇用慣行をめぐる「世代間闘争」であることが明らかになってきた。年功序列と終身雇用を固守しているかぎり,割を食うのは常に若者なのだ。(位置 No. 597)

人間は既得権益を手放したくないから,若者への投資が進まない。

クラウド化する世界』(翔泳社)でニコラス・カーは,クラウド化を水車と発電所にたとえている。(位置 No. 871)

「電力こそがクラウドである」と言われれば,なるほどと思える。

損益計算書とバランスシートの基本がわかれば,企業であれ家計であれ,富を獲得するには,原理的に次の三つの方法しかないことがわかる。(位置 No. 2222)

  1. 売上(収益)を増やす。
  2. 費用(コスト)を減らす。
  3. 資産の運用利回りを上げる。

私の家計の場合,収益は年功序列的な上昇が期待でき,独身貴族のため費用はそもそもそれほど大きくない,1. と 2. の差額は資産運用に回し,それなりの成果を上げている。一応,富を獲得する正のフィードバックループは,形成できていると自負。

誰にでもわかるように,よい貯金箱の条件はふたつしかない。(位置 No. 3160)

  1. より安いコストで資金を調達する。
  2. より高い利回りで資産を運用する。

より高い利回りでの資産運用を求めて,日本株式から米国株式へシフトしている。

国家に依存するな。国家を道具として使え。(位置 No. 3969)

新しい制度を求めるのではなく,現状の国の制度をうまく活用することは,今すぐにでも実践できる。NISA,ふるさと納税などが,その典型的な例と考える。

近代社会は,「自由」に至高の価値を見出すことによって成立した。だが私たちは,じつは心の底で自由を憎んでいる。社畜礼賛の風潮を見れば明らかなように,ひとはもともと自由になど生きたくないのである。(位置 No. 4069)

人に自由を与えたところで,その自由を謳歌できない。

BRAIN DRIVEN 青砥 瑞人

2021年5月10日

『BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは』(青砥 瑞人,Discover)を読了。

メタ認知*1の本質的な意義は,自分のことを客観的に,俯瞰的に見ることで,自分自身の脳に自分自身についての情報を書き込み,それによって「自分をもつ」ことなのである。自分の感じ方,考え方,振る舞い方を知れば,自分で感じ,考え,行動する,自律的な脳が育まれるのである。(位置 No. 228)

自分のことを俯瞰して見てみよう。

自分のやっていることが,自分の大切にしていること,やってきたことと擦り合わされ,ずれがあったらそれに気づいて修正をかけ,実際に行動しながらポジティブな出来事,それに伴うポジティブな感情もしっかりと見る。(位置 No. 1451)

自分のやっていることを的確にとらえていれば,軌道修正も容易にできる。

メタ認知の本質は,パターン学習である。過去の体験をパターン化したり,規則を見出したりすることだ。メタ認知の目で,自己のストレス反応を見てみる。その際に,自己の成功体験に着目し,その過程で生じた失敗やストレスに関連づけて学習する。その繰り返しが,学習やストレスに対する認識,認知を価値あるものとし,いわゆるレジリエンス(折れない心)を高めてくれる。加えて,成功体験を経た過程におけるポジティブなエピソードを振り返り,味わい,その体験を深く記憶に落とし込むことで,結果だけでなく,過程にもモチベートされる脳が形成される。(位置 No. 1848)

自分の行動を振り返り,パターン化していく。そうすれば,うまくいくパターンを見出し,その行動を取ることで,さらなる成功を重ねていく。

普段から,新しさに対する感度を高めておく姿勢がクリエイティビティを育むには重要となる。そのためには,新しい刺激に触れる,新しい刺激を思い返してそこに新しさを感じる,新しさを起点に他の脳内の情報と組み合わせることが大切だ。そして,何の変哲もなさそうなところに新しさを見出す目を養う必要がある。(位置 No. 3363)

新しさに対する感度は高めていく。新しい刺激に触れるため,ずっと,家に引きこもっていないで,外に飛び出していこう。

 

*1:「メタ(高次の)」という言葉が指すように,自己の認知の在り方に対して,それをさらに認知することである。メタ認知は「客観的な自己」「もうひとりの自分」などと形容されるように,現在進行形の自分の思考や行動そのものを対象化して認識することにより,自分自身の認知行動を把握することができる能力である。

日本人というリスク 橘 玲

『日本人というリスク』(橘 玲*1講談社,2013年5月1日)を読了。

日本人に生まれてきたことを誇りと思うのではなく,日本人ということはリスクであるという衝撃的なタイトル。

会社は社員を守らない,国家は国民を守らない,リスクをすべて押しつけられた個人は,この斜陽の国でいかに生きるべきなのか――,がテーマ。

新型コロナウイルス感染拡大で露呈した日本の弱みは多い。日本人の弱みを捉えておけば,グローバルで戦うことを諦め,日本では十分に立ち回れると思う。

「資本主義」とは,複利レバレッジによってバランスシートを拡張していく運動(位置 No. 347)

資本主義の社会に生きているからには,複利レバレッジをうまく活用しよう。

私たちがこの世界で生きるために富を獲得する方法は,次のふたつしかありません。(位置 No. 619)

  1. 人的資本を労働市場に投資して,労賃を得る。
  2. 金融資本を金融市場に投資して,利子・配当や譲渡益を得る。

1. を実践している人は多いが,2. を実践していない人が多い。

金融資本を金融市場に投入しないことによる機会損失は,非常に大きい。

総量規制は,「日本人は金銭の自己管理すらできない愚かな民族だ」ということを世界に公言するものですが,”自虐史観” を批判する愛国者はいくらでもいますが,この "自虐政策" に反対するひとはなぜかほとんどいません。(位置 No. 909)

金銭の自己管理すらできない日本人は,世界から取り残されてしまうのではなかろうか。

株式投資がプラスサムなのは,ひとびとの「すこしでもゆたかになりたい」という欲望によって市場が拡大していくからです。私たちは,いちど手にした生活水準を手放したくないと強く思うので,市場には強固な下方硬直性があります。すなわち,いったん拡大した市場はめったなことでは縮小しません。(位置 No. 1001)

2021年5月時点においても,市場は拡大し続けている。ただし,その市場の拡大はリアルが牽引しているのではなく,バーチャルが牽引しているように思う。

とりわけ高齢者は,円預金と年金以外に生きていく術がないのですから,それが価値を失う恐怖はとてつもないものがあります。そのため彼らは既得権を守ろうと必死になりますが,それによって政府の財政健全化計画は頓挫し,ますます国家破産のリスクが高くなるという悪循環が起きています。(位置 No. 1432)

既得権を守ろうとすればするほど,悪循環が起きるのであれば,既得権の価値を低下させてしまえばよいのではないだろうか。その一つの方法が,インフレへの転換か。

私たちはさまざまな才能(知能)を遺伝として受け継いで生まれてきます。しかし「知識社会」では,そのなかで高く評価されるのは言語的知能と論理数学的知能だけで,音楽的知能や身体運動的知能は飛び抜けて秀でていなければ市場価値は持ちません。(位置 No. 1698)

言語的知能と論理数学的知能は,少しずつでもよいので,伸ばしく努力を続けよう。

自分と家族の生活を守ることができる最低限の金融資本を持つことを,「経済的独立」というます。アメリカのフィナンシャルプランニングの本は,このような例を挙げて経済的独立の大切さを説くものばかりです。そこにあるのは,「経済的な基盤なくしては自由は手に入らない」という徹底したリアリズムです。(位置 No. 1814)

私は自分の生活を守ることができる最低限の金融資本を持っているから,自由を手にしていると言える。

私がこころから残念に思うのは,この 20 年間,日本政府がどうでもいいことに資金を垂れ流し,莫大な債務を積み重ね,いちばん大事なときに財政に余裕がなくなってしまったことです。国家の債務は公共事業や社会保障費として(平等ではないとしても)国民に配られたのですから,これは私たち一人ひとりの責任でもあります。(位置 No. 2279)

2020年からの新型コロナウイルス対策にも,日本政府や地方自治体はお金を垂れ流している。そんなお金の垂れ流しを見ていると,日本という国に,自分の将来の生活を託そうという気になれない。

しかし,日本人である以上,いくら泥船の日本であっても下船することは許されず,泥船の中でうまく立ち回る方法を模索していくしかない。

日本人というリスク (講談社+α文庫)

日本人というリスク (講談社+α文庫)

  • 作者:橘玲
  • 発売日: 2013/05/02
  • メディア: Kindle
 

更新履歴

  • 2021年5月7日 新規作成
  • 2021年10月16日 加除修正
  • 2022年3月16日 前書きを追加

*1:1959年生まれ。日本の男性作家。早稲田大学第一文学部卒業。

RFP & 提案書 完全マニュアル 改訂版 永井 昭弘

2021年5月6日

RFP & 提案書 完全マニュアル 改訂版』(永井 昭弘,日経 BP 社,2016年4月19日)を読了。

RFP*1 を書かない場合に生じるデメリットには次のようなものがある。(位置 No. 150)

  • 要求があいまいとなり,ベンダー側が提案範囲を見極めることが困難なため,何でも詰め込んだ過剰提案や一般論的提案に陥りやすい
  • 「言った,言わない」や「聞いた,聞かない」など情報伝達上のミスが発生しやすい
  • 提案書を判断する段階で基準があいまいとなり,結果的に単純に価格だけで判断を下してしまいがちになる

要求であれ何であれ,文書にしっかりと落としこまなければ,上記のようなデメリットが生じる可能性がある。

RFP&提案書完全マニュアル 改訂版

RFP&提案書完全マニュアル 改訂版

 

(参考)RFP に記載する事項

  • システム開発の概要(背景,目的,目標,予算など)
  • 提案依頼事項(要求事項,システムに関する条件など)
  • 開発,品質,契約に関する事項

*1:RFP(Request for proposal)とは,ベンダ企業に対して,システムに対する要求を要求仕様書として取りまとめて,提案を依頼するときに作成する文書のこと。

EXTREME TEAMS(エクストリーム・チームズ) ロバート・ブルース・ショー

2021年4月28日

『EXTREME TEAMS(エクストリーム・チームズ)』(ロバート・ブルース・ショー,すばる舎,2017年11月25日)を読了。

エクストリーム・チームの 5 つのサクセス・プラクティス(位置 No. 542)

  1. チームメンバーが強い執着心を共有している
  2. 採用では能力よりも企業文化への適性を重視
  3. 少ない優先順位に焦点を絞りつつ,新たなアイデアを求めて焦点を広げる
  4. ハードかつソフトな企業文化を築く
  5. リスクと衝突に伴う気まずさを恐れない

私が在籍しているチームは,5 つのサクセス・プラクティスを実践できているか。

先見性のあるリーダーを「変わり者で社会不適合者」と呼ぶのは,言いすぎと感じられるかもしれない。だが,成功に対して無謀すぎるほど強い意欲を抱き,完全に没頭する様子は,確かにジャスティン・マスクが言うとおり一種異様なものだ。(位置 No. 1437)

「変わり者で社会不適合者」を目指す,というのは筋違いだろうか。

グーグルのリーダー陣も,目の前の業務の先を見据えた研究開発の時間をとるのが困難であることは理解している。だが彼らの考えでは,20 % ルールを厳密な方針とせず,義務化もしないほうが,ベストな形で運用されるものなのだ。実験していくこと自体に意味がある――それこそが,グーグルのリーダー陣が企業文化に植え付けたい価値観だ。新たなビジネス機会を生むかもしれない新しいアイデアで,積極的に遊んでみるのである。(位置 No. 2345)

実験していくこと,それを繰り返すことで,よりよいモノ・コトが生まれてくる。実験しなければ,既存のモノ・コトのマイナーアップデートしか実現できない。

戦略読書日記 楠木 建

2021年4月26日

『戦略読書日記』(楠木 建,プレジデント社,2013年9月30日)を読了。

これらの本*1から僕が受けた衝撃や知的興奮,僕が得た気づきと洞察を読者の方々と共有したい。その先に,戦略をストーリーとして構想し実行する経営とはどういうことか,そのために必要となる思考のセンスとは何か,そうしたことの本質を浮かび上がらせることができれば,という目論見である。(位置 No. 18)

本から受けた衝撃や知的興奮を共有するのは,なかなか難しい。

論理を獲得するための深みとか奥行きは「文脈」(の豊かさ)にかかっている。経営の論理は文脈のなかでしか理解できない。情報の断片を前後左右に広がる文脈のなかに置いて,初めて因果のロジックが見えてくる。(位置 No. 185)

文脈豊かに語れるようになるということは,そこにロジックがあるということ。

戦略づくりは民主主義ではうまくいかない。戦略ストーリーは組織や部署ではなく,特定の人が担うものだ。その意味で,戦略ストーリーをつくる立場にある人は丸ごと全部を動かせる「独裁者」である必要がある。(位置 No. 302)

戦略ストーリーは,みんなで考えるものではなく,特定の人が考えるもの。

どんなに具体的な問題であっても,柳井さんは必ず原理原則の抽象レベルにまで問題を引き上げ,ことの本質を突き詰める。そのうえでもう一度具体的な問題に降りてきて,意見や判断を述べる。(位置 No. 435)

原理原則がしっかりしていれば,様々な問題にも対処できる。

一読しただけでシビれるような,原理原則など存在しない。人の気を引くコピーのようなフレーズをちりばめる必要はない。むしろ逆である。普遍的であるがゆえに,戦略ストーリーの基盤にある原理原則は,書き起こすと当たり前過ぎるほど当たり前の話になる。(位置 No. 448)

原理原則とは,当たり前のものになる。人の気を引こうとしているうちは,まだ磨き足りない。

経験を積むだけでは意味がない。一つひとつの経験が論理化されていないと必ず同じ失敗を繰り返す。論理レベルに抽象化できていれば勘がはたらく。目の前に起こっている経験したことのないような事態にも,実は過去にやった同じ方法論が通用する。「勘がいい」とはそういうことだ。(位置 No. 1132)

経験を論理レベルまで抽象化していき,応用力を身につける。

リーダーとはようするに「ストーリーを語る人」だ,と平尾さん*2は言い切る。「この事業で何を実現したいのか」「実現した時の世の中は,この会社は,あなた自身はどうなっているのか」「そこに向けての各自の役割は何か」「一人ひとりの仕事と人間的成長の中身は何か」をシンプルにつなげるストーリーを語る。それがリーダーの役割であり,リーダーだけができる仕事である。(位置 No. 1741)

リーダーとは,ストーリーを語ること。ストーリーを語れないようでは,リーダーにはなれない。

組織の枠組みよりも,そこで働いている人たちの気持ちが会社を動かす。情熱こそが事業の推進力となる。(位置 No. 2236)

情熱(つまり,パッション)がなければ,推進力は得られない。

暗黙知形式知(表出化),形式知形式知(連結化),形式知暗黙知(内在化),暗黙知暗黙知(共同化),という変換スパイラルを組織的に起こしていくということがすなわち知識の創造であるというかの有名な「SECI モデル」,これが野中*3理論の中心である。(位置 No. 3032)

まずは,暗黙知形式知(表出化)するところから始めてみよう。

戦略読書日記<本質を抉りだす思考のセンス>

戦略読書日記<本質を抉りだす思考のセンス>

 

*1:戦略や経営の本質を抉り出すような本

*2:平尾 勇司。1980 年にリクルートに入射し,ホットペッパー事業を創り上げた。

*3:野中 郁次郎