2021年4月26日
『戦略読書日記』(楠木 建,プレジデント社,2013年9月30日)を読了。
これらの本*1から僕が受けた衝撃や知的興奮,僕が得た気づきと洞察を読者の方々と共有したい。その先に,戦略をストーリーとして構想し実行する経営とはどういうことか,そのために必要となる思考のセンスとは何か,そうしたことの本質を浮かび上がらせることができれば,という目論見である。(位置 No. 18)
本から受けた衝撃や知的興奮を共有するのは,なかなか難しい。
論理を獲得するための深みとか奥行きは「文脈」(の豊かさ)にかかっている。経営の論理は文脈のなかでしか理解できない。情報の断片を前後左右に広がる文脈のなかに置いて,初めて因果のロジックが見えてくる。(位置 No. 185)
文脈豊かに語れるようになるということは,そこにロジックがあるということ。
戦略づくりは民主主義ではうまくいかない。戦略ストーリーは組織や部署ではなく,特定の人が担うものだ。その意味で,戦略ストーリーをつくる立場にある人は丸ごと全部を動かせる「独裁者」である必要がある。(位置 No. 302)
戦略ストーリーは,みんなで考えるものではなく,特定の人が考えるもの。
どんなに具体的な問題であっても,柳井さんは必ず原理原則の抽象レベルにまで問題を引き上げ,ことの本質を突き詰める。そのうえでもう一度具体的な問題に降りてきて,意見や判断を述べる。(位置 No. 435)
原理原則がしっかりしていれば,様々な問題にも対処できる。
一読しただけでシビれるような,原理原則など存在しない。人の気を引くコピーのようなフレーズをちりばめる必要はない。むしろ逆である。普遍的であるがゆえに,戦略ストーリーの基盤にある原理原則は,書き起こすと当たり前過ぎるほど当たり前の話になる。(位置 No. 448)
原理原則とは,当たり前のものになる。人の気を引こうとしているうちは,まだ磨き足りない。
経験を積むだけでは意味がない。一つひとつの経験が論理化されていないと必ず同じ失敗を繰り返す。論理レベルに抽象化できていれば勘がはたらく。目の前に起こっている経験したことのないような事態にも,実は過去にやった同じ方法論が通用する。「勘がいい」とはそういうことだ。(位置 No. 1132)
経験を論理レベルまで抽象化していき,応用力を身につける。
リーダーとはようするに「ストーリーを語る人」だ,と平尾さん*2は言い切る。「この事業で何を実現したいのか」「実現した時の世の中は,この会社は,あなた自身はどうなっているのか」「そこに向けての各自の役割は何か」「一人ひとりの仕事と人間的成長の中身は何か」をシンプルにつなげるストーリーを語る。それがリーダーの役割であり,リーダーだけができる仕事である。(位置 No. 1741)
リーダーとは,ストーリーを語ること。ストーリーを語れないようでは,リーダーにはなれない。
組織の枠組みよりも,そこで働いている人たちの気持ちが会社を動かす。情熱こそが事業の推進力となる。(位置 No. 2236)
情熱(つまり,パッション)がなければ,推進力は得られない。
暗黙知 → 形式知(表出化),形式知 → 形式知(連結化),形式知 → 暗黙知(内在化),暗黙知 → 暗黙知(共同化),という変換スパイラルを組織的に起こしていくということがすなわち知識の創造であるというかの有名な「SECI モデル」,これが野中*3理論の中心である。(位置 No. 3032)
まずは,暗黙知を形式知(表出化)するところから始めてみよう。
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