日本の歴史で常に存在感を示す藤原氏の正体に興味があったので『藤原氏の正体』(関 裕二*1著,新潮文庫,2008年12月1日発行)を読了。
この本の中で,一番印象的だったのは,
藤のとりついた木は枯れてしまうものだ
というフレーズ。
藤,つまり藤原氏*2がとりついた木とは,天皇家とも考えることができる*3。
今日においても,天皇家は存在しているように見えるが,実は,藤のとりついた天皇家,人知れず枯れてしまっているのではないか。
現代においても,日本の歴史は,藤原氏の歴史なのか。
まあ,藤原氏の歴史において釈然としないのは,そのルーツであるのは言うまでもない。
この本の中においても,第二章において藤原氏の出自について取り上げられている。
藤原氏最大の謎は,日本でもっとも高貴な一族でありながら,いまだに出自がはっきりしていない,ということである。(p. 72)
若干のネタバレになるが,中臣鎌足は当時朝鮮半島の百済から人質として来日していた,百済王・豊璋ではないかという主張を著者は展開している。
それはなかなか興味深いものであった。
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