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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門

『人と組織の問題を劇的に解決するU理論入門』(中土井 僚,PHP 研究所,2014年2月3日)を読了。

U 理論が何かを端的に表現するとすれば,それは,「何か(What)」でも「やり方(How)」でもない領域である「誰(Who)」を転換することで,過去の延長線上にはない変化を創り出す方法である(p. 50)

What や How ではなく,Who にフォーカスする。

ダイナミックな複雑性の特徴は,一言でいえば,私たちの認識できる範囲や,影響を及ぼせる範囲を超えたところでさまざまな動きが生じ,それらが私たちには見えない形で互いに影響を及ぼしあっている,ということ(p. 65)

ダイナミックな複雑性を捉えきることはできないが,捉えきれないことは認識しておく。

シンガーソングライターである Mr. Children桜井和寿さんは,「自分をまっさらな何も考えない状態にして,(自分の中から出てくる)その音と向き合わせる時に,その音楽が自分の中の何かを引き出してくれて,その引き出た何かがリスナーの何かと結びついていく」と表現されています。彼には,曲は自分の無意識が創らせてくれるもので,その無意識がリスナーとつながっていくイメージがあるそうです。(p. 211 - 212)

無意識になって,何かを創り出してみたい。

lead や leadership の語源であるインド = ヨーロッパ語の leith は "出発点(敷居)を超える" または "死ぬ" という意味だ。時に,何かを手放すということは "死ぬ" ように感じることもある。しかし,我々が U の深いプロセスから学んだことは,何かが変わらなければ,つまり敷居を越えなければ,新しいものは出てこられないということだった。(p. 223 - 224)

リーダーになるということは,何かを変えなければならない。

多くのビジョンが最初から失敗する運命にあるのは,ビジョンの策定者が,意識しているかどうかはともかく,力のない場所から出発しているからだ。(中略)U 理論からみると,多くのビジョン策定には,「U のはるか左上」でビジョンが作られているという問題がある。この場合,ビジョンを策定した人たちは,目の前の現実に対して共通の理解がなく,現実に対する責任感を共有することもない。問題はあくまで「外」にあると捉える人がつくるビジョンは,いわば「外部化されたビジョン」であり,自分たちが問題を生み出す一因になっていることに気付かないまま,問題に対応しようとする変革戦略に過ぎなくなる。(p. 227)

ビジョンを策定するときの参考にしよう。

創造のプロセスとは学習のプロセスであり,最初の時点でわかっているのは,成功するために何が必要かについての仮説であり,仮のアイデアに過ぎない(p. 249)

いきなり創造しようと思わず,創造することを目指し学習するつもりで取り組む。

「創造すること」と「問題を処理すること」の根本的な違いは簡単である。問題を処理する場合,私たちは「望んでいないこと」を取り除こうとする。

一方,創造する場合は,「本当に大切にしていること」を存在させようとする。これ以上に根本的な違いはほとんどない。(p. 278)

創造するには,大切にしていることに注目する。

ジョン・M・ゴットマン博士が提唱する関係を悪化させる「関係の四毒素」は,①避難,②侮辱・見下し,③自己弁護・防御,④逃避です。ここでいう非難は,相手の存在そのものを否定する非難も含まれています。(p. 329)

関係を悪化させる四つの毒素は消しておこう。

「口でいいこと言っているけれど,やっていることが違う」という結果に終わってしまうのは,自分の都合を優先する「小さな自己」,すなわちエゴに乗っ取られているからです。それに対して,「小さな自己」を超えた「大きな自己」につながった時には,「これが自分(たち)にとって,『本当に大切なこと』だ」と思えるようになります。その体験が深ければ深いほど,「小さな自己」は偽りの自分で,「大きな自己」が本当の自分であるという感覚があり,自分に対して嘘をつけないという実感が根づいていきます。(p. 374)

自分が本当に大切に思えることを,大切にやり続けていく。