有名な『ブルー・オーシャン戦略――競争のない世界を創造する』(W・チャン・キム/レネ・モボルニュ,ランダムハウス講談社,2005年6月22日)を読んでみた。
シルクの偉業について,その本質を理解するためには,「赤い海」と「青い海」からなる市場を思い描くとよい。レッド・オーシャンは今日の産業すべてを表す。つまり,既知の市場空間である。かたやブルー・オーシャンとは,いまはまだ生まれていない市場,未知の市場空間すべてをさす。(p. 20)
未知の市場空間すべてをブルー・オーシャンというのは言い得て妙。
ブルー・オーシャン戦略の6原則(p. 43)
- 市場の境界を引き直す
- 細かい数字は忘れ,森を見る
- 新たな需要で掘り起こす
- 正しい順序で戦略を考える
- 組織面のハードルを乗り越える
- 実行を見すえて戦略を立てる
ブルー・オーシャン戦略の6原則を意識すると,新たな世界が見えるかもしれない。
差別化と低コストのトレードオフを解消して,価値曲線を刷新するためには,次のような四つの問いを通して,業界のこれまでの戦略ロジックやビジネスモデルに挑むとよい。(p. 51)
私が属する業界(電力業界)には,問える要素がいっぱいありそう。
四つのハードル(p. 198)
- 大胆な変革の必要性を従業員に理解させるうえでの,意識のハードル
- 企業にはつきものの経営資源のハードル
- 従業員がやる気を損なう士気のハードル
- 社内外からの抵抗という政治的なハードル
ハードルを乗り越えなければ,ブルー・オーシャンを航海することなく終わってしまう。
あなたは全員のやる気を引き出そうとしているだろうか。それとも,中心人物に働きかけようとしているのか。公正なプロセスを用いて,中心人物をガラス張りの状態でマネジメントしているだろうか。高い業績を要求して,あとは結果が出るのをただ待つだけだろうか。壮大な戦略ビジョンを示すにとどまっているか,あるいはあらゆる階層の人々が行動を起こせるように,目標を具体的なレベルに落とし込んでいるだろうか。(p. 218)
今,必要なのは目標を具体的なレベルに落とし込む作業か。