Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

マッキンゼーが予測する未来 ―― 近未来のビジネスは,4 つの力に支配されている

マッキンゼーが予測する未来 ―― 近未来のビジネスは,4 つの力に支配されている』(リチャード・ドッブス,ジェームズ・マニーカ,ジョナサン・ウーツェル,ダイヤモンド社,2017年1月26日)を読了。

技術革新のスピードだけでなく,それが社会に普及していくスピードも加速している。電話が 5 千万台の電話機への接続を達成するのには,ほぼ 50 年がかかった。ラジオが同じ台数普及するには 10 年がかかった。ところが,アイポッドが 5 千万人のユーザーを獲得するには 5 年,スカイプの同様な普及には 2 年しかかからなかった。さらに普及が速かったのは,携帯電話ゲームである『アングリバード・スペース』で,5 千万ユーザーを引き付け獲得するのに,35 日しかかからなかった。これは電話の普及速度のおよそ 500 倍である。こうした比較は完璧なものではないが,私たちの生きるデジタル世界の息をのむような変化の加速ぶりを示すものだ。(p. 13)

最近では,ChatGPT の普及スピードはすさまじかった。新しい技術が世の中を変えていく。

労働人口の減少は,これまでの経済成長を維持するのに必要な生産性向上にこれまで以上の重荷を課すことにつながり,逆に,そもそも経済発展の可能性が本当にこれからもあるのか,という疑問を投げかける原因にもなっている。さらに,増加する高齢者の介護は,政府に対して厳しい財政負担を与えることになる。(p. 16)

労働人口が減少する地方において,これまでどおり経済発展を求めるべきか疑問がある。適度に縮小していければよいのだが,その加減が難しい。

都市というものが成長を推進する強力なエンジンであることの理由は,数々存在する。高密度の人口集中地域には,規模の経済,労働の専業化,知識の拡散および売買により,生産性の向上が生まれる。そして,こうした生産性の向上は,ネットワーク効果によりさらに強化される。最近の研究結果によると,都市の持つ高い人口密度により,社会的・経済的な交流機会が生まれ,その結果,時が経つにつれ直線的ではなく幾何級数的な生産性の向上が生まれることが示唆されている。(p. 43)

横軸に人口密度,縦軸に維持コストと生まれるベネフィットをとると,イメージがつきやすい。

とり得る選択肢としては,2 つあるか。一つ目は,可能な限り維持コストを低減すること。これには限界があるので,人口密度の小さい地域を減らし,損益が均衡するまで人口を集約することか。

企業経営者は,自社の社員がさまざまなスキルを最先端のレベルに保てるよう,そして経営陣と取締役会のメンバーが,最新の技術開発の状況について常に報告を受けて理解しているように,システマチックな体制を築かなくてはならない。長い間確立されてきた,戦略企画プロセスも見直す必要がある。具体的には,信頼できるさまざまなトレンド情報を監視し,今後起こりうる変化のさまざまなシナリオを考え,対応策を立てておくこと,そしてどこから競合が出現し,どこにリスクがあるのかに関して,古い仮説はバッサリと捨て去ることである。(p. 86)

古い仮説に縛られないように,トレンド情報を監視し,起こりうるシナリオをシミュレーションしておく。

社外の投資家や株式市場の圧力によって,上場企業が陥りやすいのは,短期の業績ばかりを気にする「四半期資本主義」という思考パターンである。企業が今後 10 年間,いや 30 年間といった長期間の借入,投資,そして資本にかかわる意思決定を行わなければならないことを前提にすると,この超短期的思考パターンが問題の種となる。企業は,自社の考え方を再度評価し,長期の将来に現在よりも大きな価値を生み出せるように,投資意思決定をしなければならない。(p. 266)

2030 年,2050 年をターゲットにした取組みを始めておけば,将来に勝ちを生み出すことができる。

成熟経済下では,就業機会の増加の大半は複雑な問題解決「インタラクション」であり,同じルーチンを繰り返す生産および定型的「トランザクション」業務ではない(p. 276)

複雑な問題解決「インタラクション」を担う人でありたい。

受容の増加がほとんどない時期には,どこの国の経済政策立案者も,「生産性の上昇は人減らしにつながる」という,一般大衆の認識に直面することになるのである。しかし,歴史が証明しているのは大衆の認識とは逆である。1929 年以降の 10 年間ごとの移動平均値を比べると,アメリカでは求人需要と生産性の向上は,手を携えてともに歩んできている。残念ながら,統計が示すものとは逆の結論となった一般通念を払拭することは,困難であることが立証されてしまっている。(p. 336)

生産性が上昇しても,人間がいる分だけ,新しい仕事は増えていく。

過去のトレンドが破壊される時代が,政府と政策決定者に課している不確実性とプレッシャーの重大さと意義深さは,企業や経営者に課されるものと何ら変わらない。公共部門のリーダーもまた,こうした挑戦課題に正面から立ち向かうために,経営資源を確保し,合意を形成する能力によって評価されるようになるだろう。(p. 357)

政府と政策決定者も,考え方を変えなければならない。

組織のリーダーは,自社の組織が持つ多くの直感力をリセットするためにできること(p. 366)

  1. リーダー自身が自らの直感力をリセットする能力を開発しなければならない
  2. 好奇心と学ぶ気持ちとを組織の中に埋め込むこと

直感力をリセットするため,自らの能力開発を続けていく。