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蓄電池社会が拓くエネルギー革命 野澤 哲生

2021年2月22日

『蓄電池社会が拓くエネルギー革命 2050 年,電気代は 1/10 に』(野澤 哲生,日経 BP,2020年7月6日)を読了。

日本の電力系統はいまだに黒電話の世界に生きているようです。一方,欧州では同時同量の制約の中でも通信技術を駆使して利用効率を最大限に高めようとしている様子がうかがえます。(位置 No. 798)

日本の電力系統は,もっと利用効率を高めることができるかもしれない。

この送電線問題について筆者が考える解決策は「水素」です。電力を水素に変換してしまえば,発電した電力を物質として長期間貯蔵できるほか,車両や船舶でその "電力" を運搬可能になり,送電線増強の必要性を緩和できます。(位置 No. 832)

送電線を増強するコストや送電線増強に要する期間を考えると,電力需給のピークだけは送電線以外の手段で,電力を送るというのは一つのアイデアかもしれない。

通信の世界では,事業者間競争の自由化に加えて,インターネットが台頭したことで大きく飛躍し,通信速度が 1 万倍前後になりました。電力系統も飛躍のためには,制度上の電力自由化だけでは足りず,蓄電システムで同時同量の縛りをなくす必要があるのです。(位置 No. 892)

一般送配電事業者間に,インターネット発展のときのような競争は,起こり得るだろうか。

Tesla は住宅など向けに「Powerwall」以外に,電力事業者向けの蓄電池「Powerpack」,さらには「Megapack」を利用し,案件ごとに使い分ける戦略とみられる。(位置 No. 1011)

Tesla が描いている未来は,エネルギーの自給自足(小さなエリアでの地産地消)なのか。

住宅用蓄電池でも,普及に弾みがつくには経済合理性があることが必要です。ここでの経済合理性とは,太陽光発電と合わせて,蓄電池の導入コストを製品寿命が来るまでに償却できること。そのためには,蓄電池システムの価格は 9 万円 / kWh 以下であるべきという調査会社の試算もあります。(位置 No. 1050)

蓄電池システムの導入コストが下がり,今後支払い続ける電気料金と逆転すれば,蓄電池の普及は,一気に進む可能性がある。

蓄電池社会が拓く エネルギー革命

蓄電池社会が拓く エネルギー革命

  • 作者:野澤 哲生
  • 発売日: 2020/07/09
  • メディア: 単行本