出世したいわけでも,嫌われ者になりたいわけではないが,『なぜ,嫌われ者だけが出世するのか?』(齊藤勇,プレシデント社,2015年5月29日)を読んでみた。
人事評価で上司を味方につけるのに一番大事なことは,仕事のプロセスをきちっと見せることなんです。上司と部下の間での仕事の中身を共有する。ところがそれがないと,ある結果の部分だけを見て評価をすることになってしまう。(位置 No. 91)
自分をマネジメントするため,仕事のプロセスを見える化している。それをチームで使っている backlog で行っているため,上司にも仕事のプロセスを見せている。
アメリカでは「会議は陳腐な結論を導き出す」という話があります。(位置 No. 614)
会議での結論は採用しない。
人間は,行動に際して,あらかじめ抱いている「意見」に則して「行動」するとは限らないということがわかったのです。「言行一致」は理想ですが,現実にはなかなか難しいことなのです。(位置 No. 730)
言行一致は難しい。わかっていても,行動することは難しい。
リーダーは「資質」だけで決まるのではなく,その集団内の「位置」によっても決まるということです。コミュニケーション・ネットワークのどれだけ中心的な位置にいるかが重要な要素になるのです。(位置 No. 999)
集団内でどの位置にいるかを常に意識しておく。そして,一番,力を発揮できる位置で活動する。
日本人は争いごとは好みません。そして,日本社会には「まあまあ」と事を曖昧に処理する精神が充満してしまいます。さらに,悪しき平等主義の結果,人との「差」や「違い」を認めない社会風潮が出来上がってしまいました。冷静に競い合うことが不得手な人々が増えてしまいました。(位置 No. 1180)
人との差や違いを,あえて見えるようにする。それは競い合うためではなく,お互いを理解するために行う。
双方が得をするには,強力な権限や脅迫手段を持つのではなく,相手との信頼関係を築くことが最も重要であることをこの実験は教えているのです。(位置 No. 1290)
権限や脅迫手段ではなく,信頼関係で得をする。
リアクタンスは本来,工学上の電気用語で,誘導抵抗とか感応抵抗という日本語訳がつけられていますが,ブレム*1は,人間が本来,自分自身の権利として持っていたいと願っている「自由選択権」に着目して,心理的反発のメカニズムを解明したのです。(位置 No. 2027)
電気屋なので,リアクタンスはなじみ深い。人間関係も,レジスタンス,リアクタンス,キャパシタンスのような電気の素子で捉えてみよう。
人間はやはり自己愛がたいへん強い動物なので,自分が誰よりもいちばん苦労し,誰よりも最も貢献度が高いと思い込むものなのです。
《エゴセントリック・バイアス》――社会心理学上,こうした人間の悲しい業を「自己中心性バイアス」と呼んでいます。(位置 No. 2663)
人間の悲しい業「自己中心性バイアス」は,私に当てはまる。
《あなたをあなたほど評価してくれる人は,あなた以外にはいない》(位置 No. 2696)
自分ほど自分を評価している人はいないことを自覚する。
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