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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術

『フィードバック入門 耳の痛いことを伝えて部下と職場を立て直す技術』(中原 淳,PHP 研究所,2017年3月3日)を読了。

フィードバックとは端的に言ってしまえば,「耳の痛いことを部下にしっかりと伝え,彼らの成長を立て直すこと」です。(位置 No. 4)

耳の痛いことも部下にしっかりと伝える。

人には「昔」や「かつて」を美化して語る懐古趣味があります。「昔の上司は人を育てるのがうまかった」というのも,その一つだと考えられます。そんな話は「眉唾」であると私は思います。(位置 No. 271)

「昔」や「かつて」は今とどれだけ変わるというのか。

それでは,どんな業務経験を与えれば,着実に成長できるのか。

正解は,コンフォートゾーンとパニックゾーンの中間に位置する「ストレッチゾーン(挑戦空間)」の心理状態になるような仕事を与えることです。

ストレッチゾーンとは,適度にチャレンジや背伸びをしているときの心理状態のことです。できるかできないか多少の不安はあるけれど,それよりも成長している実感や,新たな仕事を遂行できるワクワク感の方が勝っている心理状態です。(位置 No. 814)

ストレッチゾーン,フロー状態と呼ばれる心理状態になるような業務を与える。

相手に刺さるようなフィードバックをするためには「できるだけ具体的に相手の問題行動の事実を指摘すること」が必要だからです。よって,私たちはフィードバックを行うために必要なデータを,事前に部下の行動を観察することで徹底的に収集していくことが求められます。(位置 No. 933)

具体的に相手の問題行動の事実を指摘するため,部下の行動を観察し,記録していく。

振り返りのプロセス(位置 No. 1141)

  1. What? (何が起こったのか?)
  2. So what? (それは,なぜなのか?)
  3. Now what?(これからどうするのか?)

What,Why,How よりも,What,So what,Now what の方がしっくりくるのか。

たとえば,締切りに遅れる原因を部下に挙げてもらうと,「締切り前にできると思っていた」とか「やることがありすぎてパニックになってしまった」というようなことを言ってくるかもしれません。それらの再発の可能性に対して,「締切り直前に,仮の締切りを設けておく」とか「パニックに陥りそうになったら,上司と仕事の優先順位を話し合う会議を持つ」などと,対策を事前に決めておくわけです。このように,本人自らにあらかじめ先回りして考えさせることも,トラブルの再発防止に非常に役立ちます。(位置 No. 1390)

締切りに遅れる原因を本人に自覚してもらい,改めさせる。

部下が自分を変えようとしないならば,いわば「外科的手術」しか方法はありません。それは,配置転換,降格,組織からの退出ということになります。フィードバックは,配置転換,降格,退出などの血生臭い人事施策とセットで考えるのが「鉄則」です。(位置 No. 1560)

自分を変えようとしない部下には,去ってもらう。

「あなたは,私の指摘している内容を,薄めて理解する傾向があります」「あなたは,私の指摘している内容を,都合のよい部分だけ抜き出して理解されているように見えます」とストレートに返すことも一計です。一時的には言い合いになるかもしれませんが,衝突を恐れてはいけません。放置しておけばおくほど,あとから,物事を変えるのは大変になってしまうのです。(位置 No. 1880)

ストレートな言い方も必要なときがある。

組織論でよく言われる言葉に,「人は無能になるまで出世する」という「ピーターの法則」があります。会社組織に入ると出世していきますが,どこかの段階で「無能」と判断されてしまうと,そこで出世は止まります。会社組織の中では,自分が無能とされる地位まで上がって,頭打ちになる。つまり,若い頃はどんなに有能だった人でも,最終的には無能扱いされて終わるというわけです。(位置 No. 2216)

私は,いつまで有能でいられるだろうか。