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世界史の構造的理解 現在の「見えない皇帝」と日本の武器

たまには世界史を勉強してみようと『世界史の構造的理解 現在の「見えない皇帝」と日本の武器』(長沼伸一郎,PHP 研究所,2022年8月29日)を読んでみた。

コロナなどの衝撃は,今まで潜在的に社会の底にくすぶっていた問題を一挙に表面化させる力をもっており,それこそが,しばしば災害そのものの直接的な影響より重大な問題になるということである。(位置 No. 125)

コロナのような衝撃がなければ,解決されない問題が多く残っていたと思うとゾッとするな。

戦略の原則では一般的に,組織の力を「戦闘力と戦略力の積」として考えるのが普通である。前者の「戦闘力」とは,図体の大きさや兵力・練度など,純然たる体力面での力を指し,一方後者の「戦略力」というのは,優れた戦略によって優位なポジションを得るなどの知的な力を指す。(位置 No. 184)

優れた戦略があれば,戦闘力を何倍にもすることができる。

一人の戦闘力は限られているが,一人が生み出す戦略には価値がある。

まず若いころにはとにかく知識が足りないことに悩まされ,いくら学んでも,世界を動かす舵をとる自信が得られない。一方その後,どうにか自分の知識がそのレベルに達し始めたと思えるようになったときには,世界的には定年間近ということになる。そのため,これから惰性的なビジネスを脱して,世界を変革するような挑戦をするには,もう自分の年齢は行きすぎている,と感じてしまうのである。(位置 No. 901)

知識が足りないこと,それにより自信を持てないことを理由に何もしない。それでは,ただ年齢を重ねるだけ。せっかく知識を得ても,それを発揮する機会がなければ宝の持ち腐れになってしまう。

  • 君主制が劣化すると独裁制になり」→「独裁者を貴族たちが倒して貴族制が樹立され」
  • 「貴族制が劣化すると寡頭制になり」→「腐敗した特権階級を民衆が倒して民主制が樹立され」
  • 「民主制が劣化すると衆愚制になり」→「衆愚制の混乱を収拾するかたちで君主制が樹立される」

というかたちで一巡して,一つのサイクルを形成するというのが,この「政体循環論」である。(位置 No. 1027)

現在の日本は「民衆性が劣化した衆愚制」のフェーズだろうか。政体循環論によると,今後,衆愚制の混乱が起こり,君主性が樹立されることになるのだが,日本にどんな君主が現われるのだろうか。