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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?

『なぜあの人の解決策はいつもうまくいくのか?』(枝廣淳子/小田理一郎,東洋経済新報社,2013年9月1日)を読了。

仕事には,「短時間で正確にできることが大事である仕事」と,「ゼロから創り出す発想や創造力が大事である仕事」の二つのタイプがあるといわれます。(位置 No. 308)

「ゼロから創り出す発想や創造力が大事である仕事」で成果を上げたい。

何かを変えよう,何かの問題を解決しようと働きかけをした結果,その問題は解決したとしても,そのせいで別の問題が生じてしまったという経験はありませんか?または,その場では問題は解決したが,数週間,数ヵ月,数年,時には数十年たったあと,その大きなツケに見舞われる,ということもよく見られます。

システム思考ではよく「昨日の解決策が今日の問題を生んでいる」といいます。(位置 No. 380)

「昨日の解決策が今日の問題を生んでいる」というのはその通りかもしれないが,目の前の課題に対して手を出さないわけにはいかないのではないか。

各人や各部門,各組織がいくら「個別最適化」を図ろうとしても,全体の問題を解決することはできません。六人がたがいに干渉し合いながら,それぞれ自分の面をきれいに合わせようとするのではなく,六人で全体の構造やつながりを理解して,全体として合わせていく努力をしなくてはなりません。世の中の問題や私たちが毎日直面しているさまざまな状況も同じなのです。(位置 No. 441)

個別最適化を目指す人たちの集まりでは,全体の問題は解決できない。

私たちには「目の前に見えるできごと」だけに注目し,「問題の原因と結果はすぐ近くにある」と無意識のうちに思い込み,問題の近くに解決策を探そうとする傾向があります。(中略)

「問題の原因と結果はすぐ近くにある。だから問題の近くに解決策があるはずだ」という直線的なアプローチは,単純なシステムの時代には通用しましたが,複雑なシステムにおいては,通用しません。複雑なシステムでは,原因と結果が近くにあるとは限らないためです。(位置 No. 463)

複雑なシステムでは,原因と結果は簡単には見出せないから,データの力を借りる。

システム思考は,目の前にあるできごとを単体でとらえるのではなくて,その奥にある時系列パターンや構造,そしてその前提となっている意識や無意識の考え方や価値観を見て,もっとも効果的な働きかけをしようというアプローチです。(位置 No. 590)

ドネラ・H・メドウズの『世界はシステムで動く』を読んで,世界はシステムで動いていると考えるようになった。

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「自分を責めない,他人や状況を責めない。問題があるなら,その問題やパターンを生み出している構造を見つけること。構造に働きかけて,構造を変えることができれば,人格や性格を変えなくても問題は解決できる」――システム思考は,自分の気を楽にしてくれます。(位置 No. 2053)

つい,他人や状況を責めてしまうが,構造に働きかけることを意識する。

重要なのは,自らの前提を一時的に「脇に置く」技術です。前提をすべて捨て去ることは難しいですが,話を聴く間だけ,一時的に自分の役割や通常の思考を離れ,ありのままを受け入れることに集中します。(位置 No. 2394)

ありのままを受け入れるだけの度量を持つのは難しい。

これからの時代に求められるのはどのようなリーダーなのでしょうか?これからのトップの役割は,「船長」ではなく,船の「設計者」だといわれています。船のシステムは,海,地形や天候などの外部環境と,船の仕組みと船員たちの相互作用で運行されます。設計者は,安全に目的地へ向かうことを目的として,これらの複雑なつながりを理解し,船の仕組みと船員たちの行動,相互作用などを考え,システムとしての船の設計を行います。(位置 No. 2467)

船長ではなく,システムの設計者を目指す。

成功を継続的に収める優秀なリーダーたちは,実はみなシステム思考家なのです。これからの複雑性の時代,トップをはじめ組織マネジメントに携わるすべての人にとって,システム思考をはじめとする「学習する組織」の原則は必須のスキルといえるでしょう。(位置 No. 2482)

システム思考で考えるように心がけ,システム思考を武器にする。

仕事や人生に役立つ「システム思考七ヶ条」(位置 No. 2510)

  1. 人や状況を責めない,自分を責めない
  2. できごとではなく,パターンを見る
  3. 「このままパターン」と「望むパターン」のギャップを見る
  4. パターンを引き起こしている構造(ループ)を見る
  5. 目の前だけではなく,全体像とつながりを見る
  6. 働きかけるポイントをいくつも考える
  7. システムの力を利用する

システム思考のヒントにする。

日本には昔から「因果応報」「回り回って」「ツボ」などという言葉がありますが,これらはすべてシステム思考のエッセンスを言い表している言葉です。(位置 No. 2743)

「因果応報」という言葉は,私のお気に入りだ。知らず知らずのうちにシステム思考のエッセンスを身につけていたのだろうか。