『「空気」を読んでも従わない 生き苦しさからラクになる』(岩波ジュニア新書 893,2019年9月25にち)を読了。
ヨーロッパもアメリカも,世界中のほとんどの国では,「先輩・後輩」という考え方はありません。
歳が一つ上だから従うという風習はないのです。(位置 No. 90)
学生時代は「先輩・後輩」という考え方が絶対的だったtけれど,社会に出ると絶対的なものではなくなってきた。
日本人は,基本的に「世間」に生きています。
自分に関係のある人達をとても大切にします。けれど,自分に関係のない「社会」に生きる人達は,無視して平気なのです。(位置 No. 175)
「世間」ではなく「社会」を相手にしてみようか。
勉強をなぜするのか親に訊いたときに,コップを指して「国語なら『透明なコップに入った濁ったお茶』,算数なら『200 ml のコップに半分以下残っているお茶』,社会なら『中国産のコップに入った静岡産のお茶』と色々な視点が持てる。多様な視点や価値観は心を自由にする」というようなことを返された。
素晴らしい答えでした。
「多様な視点や価値観は心を自由にする」ということが「相対的に考える」ということです。(位置 No. 408)
現代のリベラル・アーツ教育*1に通ずるものがあるか。
たったひとつの「世間」だけではなく,複数の弱い「世間」にも所属すること。
いつも一緒にいるグループだけではなく,たまに会う人達との関係も作っておくこと。それが,あなたの生き苦しさを救うことになるのです。(位置 No. 1395)
ひとつの「世間」だけではなく,複数の「世間」に所属しておく。
*1:個人の能力を開花させ,困難や多様性,変化へ対応する力を身につけさせ,科学や文化,社会などの幅広い知識とともに,より深い専門知識を習得させるための学習方法