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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」

ソニー再生 変革を成し遂げた「異端のリーダーシップ」』(平井一夫,日経 BP,2021年7月2日)を読了。

「いいか。キミたち新入社員の存在は会社にとっては赤字なんだ。給料分の仕事はできないからな。だから,早く会社に借金を返せるように,がんばりなさい」

そんなことを言っていたのは,CBSソニー(現ソニー・ミュージックエンタテイメント)社長の松尾修吾さんだ。1984年4月のこと。(位置 No. 119)

入社してから 15 年が過ぎた。会社に借金は返せたと自負しているので,自由に仕事をさせてもらっている。

重要なのは,異見というものは,こちらが待っていれば勝手に舞い込んでくるものではないということだ。リーダーの立場にいる者が能動的に動いて発見しなければならない。よく経営者はコミュニケーション能力が高くなければならないと言われる。それだけではなく,私は知能指数を示す「IQ」ではなく「EQ」,すなわち心の知能指数が高くなければならないと考えている。「この人なら考え方が違っても自分の意見を聞いてくれるはずだ」と思ってもらえなければ,本心からの「異見」を得ることはできないからだ。(位置 No. 256)

私の部下たちは「この人なら考え方が違っても自分の意見を聞いてくれるはずだ」と思っているだろうか。

私はリーダーに必要な資質に「方向性を決めること。そして決めたことに責任を取ること」があると考えている。これはソニーの社長になってからも常に腹の中で持ち続けた信念である。(位置 No. 703)

リーダーとして「方向性を決めること。そして決めたことに責任を取ること」は実践したい。

難しい判断になればなるほど,特に心が痛むような判断であればそれだけ,経営者は自らメッセージを伝えなければならないということだ。リーダーはそういうシーンで,逃げてはならない。(位置 No. 758)

難しい判断,心が痛む判断のときは,自らのメッセージを伝えるようにする。

井深さんは市場調査ばかりして製品を作るのではなく,自ら市場を作り出す「マーケット・クリエーション」を信念に次々と新しいものを作り続けていった。ユーザーの声を無視しろというわけではない。ユーザーの期待値を圧倒的に超えるものを,ユーザーが想像さえしないような新しいものを,創り出せという意味だ。(位置 No. 984)

ユーザーの期待値を圧倒的に超えるものを創り出す,という気概は持ち続けたい。

知ったかぶりというのは,部下にはすぐに見抜かれてしまうものだ。リーダーの資質として重要なのは「だったらサポートしましょうか」と,部下たちに思ってもらうこと。「この人,知りもしないでよく偉そうなことばかり言うよな」と思われたらアウトだ。そうなると部下たちは上司を適当に丸め込もうとするかもしれないし,プロジェクトに取り組む本気度も違ってくるだろう。これは小さなことに思えるかもしれないが,大きな違いを生む要素だと,私は考えている。(位置 No. 1246)

私の近くにも知ったかぶりをする人はいる。その人の仕事のやり方を見ていると,知ったかぶりはよくないな,とよくわかる。知らないことは知らない,分からないことは分からない,と正直に白状しよう。

「異見を言ってくれるプロ」を探し出して自分の周囲に置くことは,リーダーとして不可欠な素養ではないかと思う。そのためには自分自身が周囲から「この人はちゃんと異見に耳を傾けてくれる」と思われるような信頼関係を築く必要がある。それと同時にリーダーが責任を取る覚悟があることを言葉に表して,また行動で示す必要がある。そうでなければ「異見」は集まらない。(位置 No. 1895)

何人か候補はいるので,そのうちの誰かに「異見を言ってくれるプロ」になってもらおう。