2023年の統一地方選が行われる中,『地方創生大全』(木下斉,東洋経済新報社,2016年10月20日)を読了。
本来は地元で強くしていこうとする産業があり,その産業に適合できる人材を集めるという発想が自然(位置 No. 146)
地元の人が減っていくのは,産業がないから。
「地域ブランド化」で陥りやすいワナ(位置 No. 591)
日本という狭い国土の中では,地域には大差がない。地域ブランド化なんて,小さい差を大きく見せようとしているに過ぎない。
地域の新規事業とは,巨額を要する工場を建設するわけではなく,まずは数十万円程度で試しにやってみることができる類のものが多いのです。こうした小規模事業を始める前に,皆で議論するのに数百万円もの予算をかけ,皆の労力を割くこと自体が滑稽です。(位置 No. 786)
議論するためだけに数百万円もの予算をかけるのは滑稽である。小さいお金で,試行してみることの方が,より学びがある。
そもそもこうした第 3 セクターは,本来は経営責任を負うべきなのに,経営責任を持たない,あるいは事業をしたことがない人が行うことが大半です。そのため,他人に任せるにしても,誰に任せたらいいかということさえわからない。損失が出ても,結局は自治体がどうにかしてくれると思っている「環境」のため,まともな経営などできないわけです。事業も資金も,すべてにおいて責任が不明瞭なのです。(位置 No. 1269)
身近な第 3 セクターの経営状況を調べてみよう。
失敗から学ぶ「積小為大」の鉄則(位置 No. 1283)
- 事業で達成しようとしている目標をひとつに絞ること
- 小さく積上げ,売上の成長と共に投資規模を大きくしていくこと
- 事業を組み立て,営業できる人間が経営し,資金調達に行政は関与しないこと
上記の鉄則を守り続ける。
地方がやるべき「常識破り」(位置 No. 1434)
- やるべき常識破り1:ほかと異なることに取り組み,需要を開拓する
- やるべき常識破り2:真面目重視だけの「プロセス評価」はやめよ
- やるべき常識破り3:変化を「非常識」で「不真面目」とみなし,潰すな
常識に従っていては,新しいものは生まれない。
「マーケットの厳しい目」のチェックを事前に受ける民間・金融機関による開発のほうが,「プロジェクトの持続可能性」を見る上で,極めてまともで現実的な問題と向き合うことになる(位置 No. 1542)
補助金を当てにするのではなく,民間・金融機関から資金を調達してみよう。
その地域から人がいなくなる原因は,適切な報酬の仕事がないこと。だからこそ地域活性化で目指すべきは「所得向上」です。そう考えれば,人口減少がプラスになる可能性もあります。(位置 No. 1595)
地域で産業をつくり,適切な報酬の仕事を提供すれば,人が集まる。
私が学生時代から関わってきた地域の取り組みでは,どこも潤沢な予算なんてものは確保されておらず,「カネがないから知恵が出る。カネがあると知恵が引っ込む」と言われ,自分たちで出し合った少ない資金と知恵で乗り越えてきました。(位置 No. 2089)
カネがないから知恵を絞ろう。
新たな取り組みについて,皆が事前に合意できるなんてこと自体が実は「幻想」である(位置 No. 2755)
新たな取り組みの事前合意は,できるとは思わない。
集団意思決定の 3 つのワナ(位置 No. 2784)
- ワナ1:「共有情報バイアス」のワナ
「集団は皆に共有されている情報に関する議論に多くの時間を費やし,共有されていない情報に関する議論には多くの時間を費やさない」という傾向があると言われます。これが共有情報バイアスです。- ワナ2:「確証バイアス」のワナ
個々人の先入観や選好からスタートし,それを確証する情報ばかりを集めることで,自分の先入観や選好を補強していくという現象があります。これが確証バイアスです。- ワナ3:「集団浅慮」のワナ
賢い集団がさまざまな情報を収集し,集団で意思決定を下すときであっても,大きなミスを犯すことは度々あります。
集団意思決定よりも,個(または小さい集団)の意思決定に重きをおく。
地域活性化においては,責任をとらない 100 人の意見を集めるより,行動する 1 人の覚悟のほうが尊い
(中略)合意形成は最初にするものではなく,やった結果をもってなされるべき(位置 No. 2852)
100 人の意見よりも 1 人の行動の方が,変化が大きい。まずは,行動しよう。
論理的な人ほど地域における意思決定にかかわらなくなり,時には,その地域を離れていく(位置 No. 2904)
地域を離れた論理的な人は,どこへ行くのだろうか。
社会全体が進歩しているにもかかわらず,昔ながらのヒエラルキーが残り,意味不明な伝言ゲームを強いられる結果,組織的な意思決定を非効率かつ不的確にしてしまう(位置 No. 2960)
地方にもデジタル技術を導入して,組織的な意思決定を効率かつ的確に行えるようにしよう。意思決定がスムーズにできるようになれば,費用も低減できるだろう。
「アイデアを出し合いましょう」ということを言うお気楽アイデアマンにかぎって,実は,その人自身は大したアイデアを持っていない(位置 No. 3171)
「アイデアを出し合いましょう」という人から,アイデアを出してもらう。
組織の活かし方 危険度 チェックシート(位置 No. 3246)
地方創生プロジェクトにおいて,上記が実現できているかチェックする。
- 価格: 1650 円
- 楽天で詳細を見る