Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法

この世界は残酷だとは思っていないけれど,『残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法』(橘玲幻冬舎,2015年4月)を読了。

  1. 知能の大半は遺伝であり,努力してもたいして変わらない
  2. 性格の半分は環境の影響を受けるが,親の子育てとは無関係で,いったん身についた性格は変わらない(位置 No. 378)

知能と性格は,変わらないものとして認識しておこう。

ひとの働く価値は,「学歴」「資格」「経験(職歴)」の三つで評価できる。(位置 No. 677)

「学歴」「資格」については自信あり。転職したことはないけれど,部署を異動することでそれなりの「経験(職歴)」は積んでいるかな。

ここでの問題は,好きなことが常に市場で高く評価されるわけではないということだ。だからといって,市場で高い値段がつくこと(言語的知能や論理数学的知能)を努力によって好きになることもできない。(位置 No. 873)

私自身は言語的なことは苦手だったけれど,10 年くらい前から本を読み続け,それなりに好きになってきたような気がする。

ぼくたちは幸福になるために生きているけれど,幸福になるようにデザインされているわけではない。(位置 No. 2308)

幸福っていったい何だろう。

リナックスのプロジェクトは,最低限の衣食住を確保したハッカーたちが,インターネットを介して協働作業を行なう環境を手に入れたことで,はじめて成立した。リーナスは,お金や仕事とは関係なく,好きなことを純粋に楽しむことこそが人生の意味だという。ハッカーこそが,人類の進化の最終段階にはじめて到達した「選ばれしひとびと」なのだ。(位置 No. 2353)

選ばれたひとびと,という優越感に浸ってみたい。

お金は,量が増えるにしたがって魅力がなくなっていく。財布に 10 円しかないひとが 1 万円もらえばものすごくうれしいだろうけど,1 億円の貯金があるひとが 1 万円儲けてもなんとも思わないだろう(経済学ではこれを,限界効用逓減の法則と呼ぶ)。

それに対して評判は,麻薬と同じで,いったん手にしたらもっと欲しくなる(限界効用が逓増する)。それに貯金とちがって,放っておくと時間とともに失われてしまう。お金よりもずっと貴重な資源なのだ。(位置 No. 2407)

20 代の頃はお金が欲しくてたまらなかったけれど,今はそうでもない。お金がいっぱいあっても,有意義に使うのは難しい。

ゲームのルールを壊さずに金銭を受け取るのなら,それがどれほど巨額でも,ひとびとは喝采を送る。だが金銭的な成功を目的にゲーム本来の面白さを踏みにじると,財団をつくって巨額の社会貢献をしても,(すくなくとも当事者のコミュニティでは)最低最悪の評価しか得られないのだ。(位置 No. 2433)

金儲けはほどほどにしておくのがベター。

米国型の人事制度は地位や職階で業務の分担が決まるから,競争のルールがはっきりしている。頂点を目指すのも,競争から降りるのも本人の自由だ。それに対して上司や部下や同僚たちの評判を獲得しなければ出世できない日本型の人事制度は,はるかに過酷な競争を社員に強いる。この仕組みがあるからこそ,日本人はエコノミック・アニマルと呼ばれるほど必死に働いたのだ。(位置 No. 2484)

出世したくない,という人が増えているというのは,米国型の人事制度に近づいているということか。

ぼくたちが中古の家電製品をあまり買いたがらないのは,どんなに安くても,すぐに壊れてしまったらお金がムダになると思うからだ。洋服やバッグは,外見から品質をほぼ正確に判断できる。それに対して,中身がよくわからないものは中古品取引にはあまり適さない。

経済学ではこれを,「情報の非対称性」によって合理的な行動から非効率な市場が生まれるからだと説明する。(位置 No. 2623)

情報の非対称性を逆手にとれば,中古品取引で優位に立てそう。ただし,具体的なアイデアはない。