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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

史上最強の CEO イーロン・マスクの戦い

『史上最強の CEO イーロン・マスクの戦い』(竹内一正,PHP 研究所,2015年3月4日)を読了。

「重要な部分はアウトソースしないで,社内で取り組む」とイーロンは常々述べていて,スペース X の内製率は 8 割以上と驚異的だ。(36 ページ)

重要な部分を内製化すれば,試行錯誤が容易になる。

イーロンは学生時代,人類の将来にとって最も重要なことは一体何かを考えた結果,「インターネット,持続可能なエネルギー,宇宙開発」という 3 つの結論にたどり着いた。(41 - 42 ページ)

インターネット,持続可能なエネルギー,宇宙開発という 3 つの切り口で見れば,イーロン・マスクの行動の意味が見えてくる。

テスラ特許公開の狙いは,電気自動車の普及をハイスピードで加速するためだ。米国で電気自動車の割合はまだ 1 % にも満たない。テスラ社一社だけがフルスロットルで頑張っても限界がある。しかし,テスラの特許を無償公開すれば,多くのメーカーが電気自動車を作り始め,電気自動車のグローバルな普及率が加速的に速くなることが期待できる。(66 ページ)

オープンにすることで,一人(または一社)では成し得ないことも可能になる。

イーロンは「技術的リーダーシップは『特許』によって決まるものではなく,世界中の優秀なエンジニアたちを惹きつけ,やる気にさせる『企業力』によって決まる」と断言した。(128 ページ)

私が勤めている会社は,優秀なエンジニアたちを惹きつけ,やる気にさせているだろうか。

イーロンは「自動車大手と EV で激しく競争することを心から望んでいる。なぜなら,それは EV の販売台数が増え,技術がより進化することを意味するからだ」と超然と語った。(183 - 184 ページ)

EV の販売台数を増やす,というのは夢物語のように思えたが,それを実現するのはさすがだね。

高い目標を掲げ挑戦することに意味はある。グーグルの会長で元 CEO のエリック・シュミットは社員に「10 % の改善」ではなく,「10 倍の改善」を求めてきたと言う。「10 倍の改善」はクレージーに見えるかもしれないが,チームは必死になって結果を出そうとする。そうすると,「3 倍の改善を実現できるかもしれない」と,シュミット流経営術を語っていた。(198 ページ)

少しの努力だけでは届かないような目標を掲げて,必死になって結果を出してもらう。

旧ソ連の宇宙飛行士だったユーリ・グラズコフはかつてこんな疑問を投げかけていた。「地球の自然は,私たちに果てしなく優しかった。私達人類が地上に現れ,2 本の足で大地に立ち,進化するのを見守ってくれた。そして,人類はたくましくなった。しかし,この贈り物に,私たちは何かお返しをしただろうか」。(227 ページ)

地球の自然にお返しするというのは,ややおこがましい気もする。