Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

プロジェクトのトラブル解決大全

プロジェクトマネージャ試験の午後Ⅱ問題の対策として,『プロジェクトのトラブル解決大全 小さな問題から大炎上まで使える「プロの火消し術86」』(木部智之,KADOKAWA,2022年2月18日)を読了。

トラブルになる時は,だいたい QCD の Quality(品質)から問題が顕在化してきます。システム開発のプロジェクトなら,どういうシステムを作るか,という要件がなかなか決まらない,設計品質が悪い,プログラムの品質が悪い,という状態になり,それが品質問題として発生します。(25 ページ)

品質の良し悪しを確認することで,トラブルを早期に発見できる。

どんなトラブル対応でも,一番にやらなければいけないこと。それは,「腹をくくる」ことです。腹をくくらない限り,火消しは絶対に成功しません。

なぜでしょうか。

「腹をくくる」というのは,覚悟を決めるということ,絶対にやりきってやると決めるということです。英語では Prepare for the worst. (最悪なケースに備える)と表現します。(32 ページ)

何をやるにしても,腹をくくることは必要。

最初は,大まかな概要を理解し,プロジェクトの現時点での概況を捉えることにポイントを絞ります。そのために必要な資料は次の 4 つです。(36 ページ)

  • プロジェクト計画書
  • 体制図
  • 課題管理表
  • 進捗報告資料

プロジェクト外の人に見せられるように資料は整備しておく。

炎上プロジェクトでの原因究明は仮説検証型で進めるべきです。なぜなら,炎上プロジェクトでは時間的な余裕がないからです。すべての調査をして,全員からヒアリングして,そこから課題と原因を洗い出す機能的プロセスを踏んでいては,あっという間に貴重な時間をロスしてしまいます。したがって,仮説検証アプローチをとるのです。(46 ページ)

トラブル対応は時間的な余裕がないから,仮説検証で進める。

初期段階で自分の頭を十分に働かせること,しっかりとした頭の準備運動をすることは,絶対に欠かせないプロセス(51 ページ)

仮説を立て,検証できるよう頭の準備体操をしておく。

課題管理プロセスのよくある欠陥のパターンは,

  • 課題を吸い上げるプロセスが決まっていないので,メンバーが見つけた課題が計上されない
  • 課題確認のサイクルが回っておらず,期限切れの課題が放置される
  • そもそも,課題の担当者や期限日が設定されていない

などです。(67 ページ)

課題管理プロセスに欠陥がないか,確認しておく。

課題管理が甘いと,そのリーダーは気持ちが弱いだろう,という推測もできます。そもそも課題対応というものは,メンバーの誰しもが率先してやりたくないものです。その課題対応に誰かをアサインして期限を切るというのは,気が重い仕事なのです。課題表の担当者や期限にたくさんの空欄があるということは,リーダーがそこから逃げてしまっている,ということの表れです。(68 ページ)

課題管理が甘いリーダーは,何人か思い浮かぶ。

トラブルプロジェクトのリカバリ計画を立てる際,必ずやるべきことがあります。それは,「やらないことを決める」ことです。(107 ページ)

リカバリではやることだけをやる。

チームを強くするために行うことは 3 つです。(204 ページ)

  • 規律やプロセスの遵守を徹底する
  • メンバーを育成する
  • リーダーが変わる,リーダーを替える

私のチームを強くするため,規律やプロセスの遵守を徹底させよう。

2 ~ 3 日で終わる仕事を,「これ,月末までにやっておいて」と長い期限に設定するとどうなるでしょうか。

ほとんどの場合,期限が近づいてきてから仕事に着手して,期限である月末に仕事が完了します。

となると,仕事の期限はどう設定するべきでしょうか。

正解は,ここでも「最短」です。3 日で終わる仕事なら,期限は 3 日後に設定するのです。(216 ページ)

期限は,最短で設定する。

ある日,私がプロジェクトルームに行くと,「凡事徹底」と書かれたホワイトボードシートが壁に貼られていました。そこには一緒に,

  • 約束・ルールを守る
  • 期日・締め切りを守る
  • 課題・問題を解決する

と書かれていました。(254 ページ)

凡事さえ徹底できない人にプロジェクトは任せられない。

いくつもの炎上プロジェクトを経験してきて私が思っているのは,

  • ラクルはない
  • 飛び道具はない
  • 地味なことを地道にやるしかない

ということです。(254 ページ)

どんなプロジェクトであっても,ミラクルはない,飛び道具はない,地味なことを地道にやるしかない,というのは当てはまる。

メンバーにはメンバーの仕事,リーダーにはリーダーの仕事というものがあります。それは「役割」であり,メンバーは自分が担当しているタスクをやり遂げること,リーダーはチームを動かすことをやり遂げることというように,それぞれに与えられたミッションがあります。(309 ページ)

それぞれに与えられたミッションをこなしていくことで,プロジェクトは成り立つ。