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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

きみはダイジョブ? 石田 衣良

2020年6月4日更新

『きみはダイジョブ?』(石田 衣良,日経プレミアシリーズ,2013年11月8日発行)を読了。

 一度,社会の逆鱗のスイッチがはいったら,もうまともな理屈や常識などおかまいなしである。容赦ない攻撃に徹底してさらされることになる。理由などあやふやでもかまわない。なんとなくあいつは悪いやつだ,嫌なやつだという程度の社会的な空気感で,血祭りにあげられてしまうのだ。(p. 22,『正義のゲキリン』)

社会が理屈や常識を失ってしまうのは,その社会を構成する一部の人の問題か。

 今のうちにもっと本を読んでおくといい。読書で得た力はつぎの 20 年を支える柱になる。作家になったら,ほとんど休みはない。好きな本を寝そべって読みふけり,夏空を半日見あげてすごす贅沢は許されないのだ。(p. 42,『25 回目と 52 回目の夏』)

本を読むのは,明日のためでなく,数年後のためである。

「知性というのは,そういうときのためにあるものだ。原子力を管理運営する団体に反対派と容認派をいれて,技術的な裏づけをとりながら徹底的に議論する。そうして意思決定がおこなわれ,初めて理性的な民主国家といえるんじゃないかな。きみもそうだが,日本人は議論を避けすぎる」byジャン=ジャック (pp. 137 - 138,適切なディスタンス)

技術的な議論を徹底的に行う。
技術者として,それが最も大事。

 リヴィジョニストは歴史修正主義者。すでに定まった歴史的評価を覆す者という意味だ。たとえばナチスによるユダヤ人虐殺は存在しなかった主張するドイツの極右政党などに使用される。侵略に関する定義はないという総理の発言も,従軍慰安婦に関する橋下徹大阪市長の記者会見も,海外から見れば一緒くたのリヴィジョニスト的妄言と見做されてしまうのだ。(p. 170,『アベノミクスの死命』)

すでに定まった歴史的評価があっても,それが誤っていれば修正する。
それは,当たり前のことなのではないか。 

きみはダイジョブ? 日経プレミアシリーズ

きみはダイジョブ? 日経プレミアシリーズ

  • 作者:石田 衣良
  • 発売日: 2013/11/09
  • メディア: 新書