2020年2月4日更新
『最高学府はバカだらけ 全入時代の大学「崖っぷち」事情』(石渡嶺司,光文社新書,2007年9月20日発行)を読了。
文部科学省のどこがまずいかというと,「理念が正しく」「それでいて現実に即していない」という二点に集約される。(p. 55)
机上の空論になっているのか。
机上では,正しい理念を考えることができても,それが現実に即しているかを知ることはできない。
「ヘリコプターペアレンツ」という言葉がある。もとはアメリカで過保護な親のことを指す用語だ。子供に何かあればすぐに介入する様子が,上空を旋回していてすぐ地上に降りてくるヘリコプターのようであることから名づけられた。(p. 58)
「ヘリコプターペアレンツ」よりも,「モンスターペアレンツ」の方が激しそう。
トップランナーだけで業界全体の方向性を決めることはできなくても,問題提起はできるはずだ。今の難関大の姿勢は,啓蒙君主と言うよりは業界全体を考えず単に収奪するだけのバイキングではないか。(p. 150)
難関大であっても,生徒を確保することが第一であるのか。
少なくとも就職活動においては,東京本社の企業では「関関同立は同じ扱い」(機械メーカー),関西本社の企業でも「同志社を多少上に見るかもしれないが,それほどではない。やはり関関同立は同列」(電機メーカー)である。(p. 184)
関西の大学の序列は,関関同立で同列。
「大学の勉強について行けないなら,専門学校に行くなり高卒で就職するなりすればいい」と言う識者がいる。大学を高等教育研究機関と考えるならばその通りである。(p. 220)
大学の勉強について行けないのならば,大学に行く意味はない。