Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

人間の器量 福田和也

2020年2月5日更新

『人間の器量』(福田和也新潮新書,2009年12月10日発行)を読了。

若い人は,よい酒場に通うべきだと思いますね。チェーンの居酒屋ではなく,ちょっと敷居が高い,大人の店にいく。ちゃんと行儀よくしていれば,客として遇してくれるし,大人の知人が,友達ができます。(p. 20)

大人との出会いが,今後の自分に影響を与える。
チェーンの居酒屋には行かない。

世間が専門家だらけになれば,小粒になるのは避けられない。
でも,私たちは,専門家として生まれてきて死ぬわけではありません。(p. 27)

専門的であることは悪いことではないが,小粒にはならない。
深く追求しながら,世界を見渡せる人になる。

  1. 愚説愚論を聞くべし。一を聞いて十を知ってしまうのが閣下の短所である。
  2. 地位が下の人間が,閣下と近い意見を述べたらすぐに採用すべし。他人の論を褒め,採用しないと徳は広がらない。
  3. 怒るべからず,怒気怒声は禁物。
  4. 事務の処断は,急ぐべからず。即決せずにぎりぎりまで待つべし。
  5. 閣下が人を嫌うと,向こうも閣下を嫌うようになる。進んで,嫌いな人との交際を求めるべし。

五代友厚大隈重信へ送った手紙) (p. 31)

大隈重信への手紙は,私にも突き刺さる。

しかしまた,一方で,戦争が人間に教えるもの,もたらすものもたくさんあります。
逆説的にではありますが,平和の尊さを,一番深刻に教えてくれるのは戦争でしょう。
生命の大事さも同様です。(p. 41)

平和な世の中は,平和の尊さと生命の大事さを忘れさせてくれる。

慰安と平等と健康を求めて,抜きんでる事や英雄的行為,犠牲を好まない。
怖いのは病気と経済的破綻だけ。
強い信仰もなく哲学も必要がない。
めでたいといえば,めでたいのですが,これで国が,社会が持つのか,次世代に何を残せるのか,大いに不安です。(p. 69)

ただ生きるだけ,それならば生きなければいいのに。

松永は,停電という日本経済の宿痾を解決するためには,電気料金を上げて,その資金でインフラを整えるしかない,と確信していたのです。(p. 112)

その確信に間違いはなかった。
インフラを維持するために,電気料金を上げることも一つの選択肢ではないか。

人間の器量 (新潮新書)

人間の器量 (新潮新書)

  • 作者:福田 和也
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2009/11/01
  • メディア: 新書