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AIの衝撃 人工知能は人類の敵か 小林雅一

2020年1月24日更新

『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』(小林雅一,講談社現代新書,2015年3月20日発行)を読了。

ディープマインドの共同創業者の一人であるシェーン・レッグ氏は「最終的に,人類はテクノロジーによって絶滅するだろう。(中略)今世紀におけるその最大の危険要因は AI だ」と語っています(Q&A サイト「Less Wrong」より)。(p. 35)

ターミネータの世界を思い浮かべてしまう。

「本物の AI を創造することは,人類史上,最大の偉業となるだろう。それは戦争,飢餓,貧困といった極めて困難な問題さえ解決してくれるかもしれない。しかし一方で,それがもたらすリスクを回避する手段を講じなければ,AI は人類が成し遂げた最後の偉業になってしまう恐れがある(つまり AI は人類を破滅に導くかもしれない)」(米カリフォルニア大学バークレー校スチュアート・ラッセル教授や 4 名)(p. 39)

これもまた,ターミネータの世界を思い浮かべてしまう。

ロボット三原則 by 米国 SF 作家アイザック・アシモフ (p. 58)

  1. ロボットは人間に危害をくわえてはならない。また何もしないで人間が危害をうけるのを見過ごしてはいけない。
  2. ロボットは人間の命令に従わねばならない。ただし第1原則に反する命令はその限りではない。
  3. ロボットは自らの存在を守らねばならない。ただし,それは第 1,第 2 原則に違反しない場合に限る。

こんな単純な三原則では不十分だろう。
AI が誕生すれば,うまく AI を制限しなければターミネータの世界が訪れてしまう。

このやり方は,現実世界に起き得る様々なケースをあらかじめ人間が想定し,それに応じて個々に対策(ルール)を決めていく方法でした。これは第 1 章で紹介したフレーム問題,つまり「現実世界で起こり得るケースを数えあげれば切りがない」という問題の恰好の餌食となってしまったのです。(p. 91)

ルールは無限にあるため,ルール作りには終わりがない。
原則で示すことも一つ。

そこでベイズは次のように考えました――「最初から,そんな理想的な確率(客観確率)を得ようとしたら,一歩も前に進めないよ。それよりも最初は不正確でもいいから,自分で適当に確率(主観確率)を決めておいて,そこに実験や測定の結果を反映させて,徐々に確率を改良していこう。そうすれば,いますぐにでも仕事を始められるから,こっちの方が便利だよ」という発想です。(p. 94)

実践しながら改善していく,というやり方は合理的かもしれない。

「本当に変種の『枝刈り』などは,謎の黒魔術みたいな感じです。でも言われた通りにプログラムすると,不思議と(ポナンザが)強くなるんです」(山本氏) (p. 199)

先人の知恵はすごいということか。

「チェスは音楽や文学のような感情的に深いものは含まない。コンピュータが芸術作品を作り出すようなことがあれば,それこそ一大事である」(ダグラス・ホフスタッター)(p. 231)

コンピュータが作り出した音楽が,人の作った音楽よりも優れていることもあるらしい。音楽も大したものではないのかもしれない。

「(創造性とは)一見異なる領域に属すると見られる複数の事柄を,一つに結びつける能力を持った人から生まれる」(アイザック・アシモフ)(p. 235)

幅広い知識を持ち,異なる領域の事柄を結びつけることができれば,創造が生まれる。

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)

AIの衝撃 人工知能は人類の敵か (講談社現代新書)