Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

日常生活に潜むゲーム理論 レン・フィッシャー

2020年1月23日更新

『日常生活に潜むゲーム理論』(レン・フィッシャー,松浦俊輔・訳,日経BP社,2010年12月6日発行)を読了。

これらの事例すべてで,協調すれば全体としては最善の結果になるが,ナッシュの落とし穴(ナッシュ均衡と呼ばれるようになったもの)が,自己の利益を図る論理によって,少なくとも一方が損をするが,そこから抜け出そうとすれば,もっと損をしなければならないという状況に引き寄せる(そのため,この落とし穴は強力だ)。もっと効果的に協調を学ぶとすれば,この落とし穴を避けたりそこから脱出したりする方法をみつける必要がある。ゲーム理論はその問題がどういうものかを特定した。ではゲーム理論はそれを解決するのに役立ちそうな手がかりを何か与えてくれるだろうか。確かに与えてくれる。(pp. 14 - 15)

自分だけではなく,相手の立場に立てば,ゲームの全体像が見えてくる。

「何もしないで,進化が代わりに仕事をしてくれるのを待つのです。アリやミツバチやスズメバチの場合は,進化が遺伝子に協調をプログラムすることで,個体性は犠牲にしましたが,問題は解決しました。人類でもいずれ協調遺伝子が進化して,問題を解決するかもしれません。(p. 37)

イノベーションは,協調の先にあるのか,個性の先にあるのか。

協調しようとするときにぶつかる社会的ジレンマはいろいろあって,囚人のジレンマはその一つにすぎない。中でも有害なジレンマが七つあり,ゲーム理論家はそれぞれにイメージを喚起する名称を与えている。(pp. 68 - 69)

囚人のジレンマ,② 共有地の悲劇,③ ただ乗り問題,④ チキン・ゲーム,⑤ ボランティアのジレンマ,⑥ 両性の争い,⑦ 鹿狩り

問題が 7 つのジレンマに当てはまるか,確認してみよう。

人間だけがゲームをするわけではない。他にも多くの動物がしている。生物学者はそれを「タカとハト」と呼ぶ。餌,縄張り,交配相手など,分けられない資源を求めて争うときには,動物はたいてい,攻撃的なタカ戦法をとるか,攻撃の姿勢を見せるかがそれから逃げるハト戦法をとるか,いずれかの傾向がある。(p. 87)

タカ派ハト派。どちらかというとハト派かな。

1998 年,日本の数学者,芳沢光雄は,725 人の出した手を調べ,35 % の回でグーが出て,パーは 33 %,チョキは 31 % であることを見た。(p. 124)

パーを出せば,勝率 35 % となる。

「人が協調的な答えに達しうるのなら,原理的には総和が一定でないどんなゲームも,どちらも得するゲームに変換できるからだ」(ゲーム理論家ロジャー・マケイン)(p. 133)

協調ができれば,全体で最適となる解が見出せる。

日常生活に潜むゲーム理論

日常生活に潜むゲーム理論