「勇気」危険にたじろがぬ勇気。責任に対する勇気
「理性」判断力と決断力
「沈着」適切な処置を適時行える精神状態
「意志」損失,疲労,苦痛に耐え,それらをはね返して情熱と希望を燃え上がらせる精神力
「忍耐力」緊張と苦難に耐え得る耐力と精神力
「感情」平衡感覚のある感情。粘り強く巌も動かす
「強い性格」ぐらぐらしない。ただし,頑固ではない
これがリーダーたる者の資質であるというふうにクラウゼヴィッツは書いているわけです。(pp. 35 - 36)
クラウゼヴィッツの『戦争論』における,リーダーたる者の資質。7 つの資質を,バランスよく備えている人はいるのだろうか。
まず,一番目,リーダーは高邁な品性を持たなければならない。
二番目が,リーダーは公明な資質を持たなければならない。
三番目は,リーダーは無限の包容力を持たなければならない。
四番目に,リーダーは堅確な意志を持たなければならない。
五番目として,リーダーは卓越した識見を持たなければならない。
そして六番目は,リーダーは非凡な洞察力を持たなければならない。(pp. 61 - 62)
1914年,陸軍が刊行した『統帥綱領』でのリーダーはどうあるべきかの考察。これらをまとめて,「日本の指導者は,威徳を持たなければならない」と単純化された。「威徳」という言葉だけで,指導者を語ることはできるのだろうか。
リーダーがなすべきことのなかで最も重要なのは,自分でよく考えて判断し決断する,ということだと思います。(p. 153)
リーダーの最大の仕事は「判断し決断する」ということ。リーダーに決断してもらうために,何を用意すればよいかを考える。
五番目はこれ,「規格化された理論にすがるな」。規格化された理論,といっても何も大それた理論のことではありません。何かにつけ,「まぁ,前回は成功したのだから,前回と同じようにやろう」となりがちです。これがいちばん楽です。楽ですが,同じことばかりやっていたのでは,やらないほうがましということになりかねない。(p. 220)
安易に同じことを繰り返さない。
リーダーの条件
- 最大の仕事は決断にあり
- 明確な目標を示せ
- 焦点に位置せよ
- 情報は確実に捉えよ
- 規格化された理論にすがるな
- 部下には最大限の任務の遂行を求めよ
リーダーになったとき,この 6 項目は常に頭にいれておく。