2020年10月25日更新
『数値電磁界解析のための FDTD 法*1ー基礎と実践-』(宇野亨編著,何一偉・有馬卓司著,コロナ社,2016年5月25日 初版 第 1 刷)を購入しました。英語タイトルは,"FDTD Method for Computational Electromagnetics - Fundamentals and Practical Applications -" です。
2016 年 5 月 25 日 初版第 1 刷発行となっておりますが,2016 年 5 月 14 日時点において, Amazon で購入できるようです。
1998 年に刊行された『FDTD 法による電磁界およびアンテナ解析』の後継となる位置づけと思われます。
1998 年以降,新たに生まれた方法,淘汰された方法についても触れられています。
また,FORTRAN90 に準拠したプログラムコードも記載(コロナ社の Web サイトからダウンロード可能。ただし,本書に記載されているパスワードが必要)されており,より実践的な内容となっています。
参考までに本書の構成は以下の通りです。
1. FDTD法基礎
1.1 電磁方程式
1.2 Yee アルゴリズム
1.3 物体のモデル化
1.4 外部波源と励振パルス
1.5 時間ステップとセルサイズ
2. 吸収境界
2.1 Mur の吸収境界
2.2 PML 吸収境界
2.3 UPML
2.4 CPML
3. 基本プログラム
3.1 計算の流れ
3.2 1 次元問題
3.3 2 次元問題
3.4 3 次元問題
4. 分散性・異方性媒質
4.1 代表的な分散性媒質
4.2 RC 法と PLRC 法
4.3 ADE 法
4.4 左手系媒質の取扱い
4.5 分散性媒質に対する PML
4.6 異方性媒質
5. 電磁波散乱解析とその実例
5.1 散乱界に対する FDTD 法
5.2 全電磁界・散乱界領域分割法
5.3 セル構造の変形
5.4 良導体の取扱い
5.5 遠方界
6. アンテナ解析とその実例
6.1 アンテナ導体のモデル化
6.2 アンテナ給電モデルと給電点電流
6.3 入力インピーダンス
6.4 反射係数と散乱行列
6.5 アンテナの放射効率と SAR
6.6 遠方界特性
6.7 電流分布と電荷分布
7. メタマテリアル
7.1 メタマテリアルと FDTD 法
7.2 平面波の垂直入射
7.3 斜め入射
7.4 アンテナ問題
7.5 分散ダイアグラム
8. 関連手法
8.1 FDTD 関連手法
8.2 FDTD 連成解析
8.3 周波数領域の電磁界解析手法
付録A. 物理乗数と物質の電気定数
A.1 基本定数
A.2 物質の電気定数
付録B. プログラム
B.1 2 次元平面波の散乱プログラム
B.2 3 次元プログラム
B.3 全電磁界・散乱界プログラム
B.4 時間領域遠方界
B.5 ダイポールアンテナ
付録C. 数値積分と離散フーリエ変換
C.1 滑らかな関数の積分
C.2 多重積分
C.3 離散フーリエ変換
付録D. 連立一次方程式と逆行列
D.1 連立一次方程式
D.2 逆行列
引用・参考文献
索引
*1:FDTD は,Finite Difference Time Domain(時間領域差分)の略で,電磁界現象の支配方程式(基礎方程式)であるマクスウェルの方程式を差分化(Finite Difference)して,時間領域(Time Domain)で解く手法である。