Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

「ゴール仮説」から始める問題解決アプローチ

『「ゴール仮説」から始める問題解決アプローチ』(佐渡 誠,すばる舎,2018年10月23日)を読了。

限られたリソース(人や時間,もの,金,情報など)の中で,いかに生産性の高い働きを実現していくか。

過去に出会ったことのない問題や難題の解決が求められ,リーダー自身,苦しみながらチームを率いて解決策を見つけ出していかねばならない局面は,ますます増えていくはずである。(11 ページ)

限られたリソースを嘆くのではなく,いかに生産性の高い働きを実現するかを考える。

「時間は制約要素」であり,安易に引き延ばしてはならないのである。(14 ページ)

制約の中で,できる限りのアウトプットを出すのがプロフェッショナル。

リーダーが取るべきアクション(29 ページ)

  1. 真に答えるべき問題(問い)を定義する
  2. 深い論点(検証ポイント)を設定する/設定させる
  3. その確からしさを確認するための優先作業を明確にする

リーダーの中には,真に答えるべき問題(問い)を定義できていない人がいる。

「与えられたリソースやスキルの範囲でしか成果物はできない」という旧来の発想で向き合っており,外部リソースを使うという考えが全く発動されていない(発動する意識設定が乏しい)。(32 ページ)

外部リソースに目を向ければ,選択肢は無限に広がる。

与えられた情報や数字だけで小さく考えるのではなく,より高い視座に立ちながら新規性の高いアイデアを考えていく,その視点で筋のよいゴール仮説(解決策仮説)を描くことに努めていただきたい。

企業文化に長く浸っていると,ともすると実現できる範囲で考える発想が自身の中に知らず知らずに染みついてしまい,新規性の高い発想を生み出そうとする機能に蓋をしてしまいがちである。(106 - 107 ページ)

企業文化に十数年浸っていると,世間の常識が失われてしまっていると思った方がよい。発想のタガを外せ。

議論を拝聴するとすぐに,議論が効率的に進まない問題点として大きく三つ存在することを確信した。(166 ページ)

  1. すべての議論の結果として生み出される成果物の枠組みやイメージが,ほとんどないまま個別論をぶつけ合っている
  2. 「現状の何が悪いか」を分析するための議論と「では何をすべきか」という打ち手の議論が行ったり来たりしてしまっている
  3. 議論のほとんどが現場改善型施策の目線で話されていて対競合や市場の変化,時代の変化といった外部変化のインプットが弱く,思い切ったアイデアが生まれてこない

議論が効率的に進んでいない場面に,しばしば出会う。

そんなときうまくファシリテートできればよいのだが,迷走する議論に巻き込まれてしまう。

外資系コンサルのリサーチ技法 事象を観察し本質を見抜くスキル

外資系コンサルのリサーチ技法 事象を観察し本質を見抜くスキル』(アクセンチュア 製造・流通本部 一般消費財業界グループ,東洋経済新報社,2015年10月15日)を読了。

テクノロジーの非連続な進化により,あらゆるビジネスがデジタルな世界で行われる時代を迎えつつあります。顧客や消費者の動きが大きく変わり,既存のビジネスの前提が大きく覆っています。(位置 No. 38)

ビジネスがデジタルに置き換わったとき,どうなるのか想像力を働かせる。

リサーチとは,単なる情報収集のことではありません。ビジネスの意思決定を後押しするインサイト(=洞察)を抽出する行為です。補足すれば,「物事を観察して,その本質や奥底にあるものを見抜くこと」です。(位置 No. 54)

リサーチは,インサイトを抽出する行為。

物事の本質や奥底にあるものを見抜くため,リサーチは欠かせない。

リサーチをする際には,「何を知りたいか」を考える前に,「そもそも,どんな課題を解決したいのか」という「答えるべき問い」をはっきりさせておくようにします。

(中略)

可能な限り最初の段階で「答えるべき問い」を絞り込むことが,リサーチを成功させるポイントです。(位置 No. 160)

「イシューからはじめよ」ということ。

参考 9 つのリサーチ技法

コンサルタントが日常的に,頻繁に活用しているベーシックな 9 つのリサーチ技法。

9 つのリサーチ技法
Web 検索 インターネット検索エンジンを使った情報収集
文献検索 刊行されている基本書・専門書等からの情報収集
記事検索 新聞や雑誌など定期的に発行されている媒体からの情報収集
公的調査・統計 行政や研究機関が発表している大規模定量データを使った情報収集
民間調査レポート 調査会社が発行している,調査対象をテーマに関してまとめられた報告書からの情報収集
アンケート調査 広く消費者や参加者に問いかけ,傾向やクラスターを定量的に把握する情報収集
ソーシャルリスニング 消費者が大量に,何気なく,自発的に発信している情報の収集
フィールド調査 現地に足を運んで実際の場面を観察・体験することによる情報収集
インタビュー 有識者や消費者に直接問いかけることによる深い情報収集

天才 IT 大臣オードリー・タンが初めて明かす 問題解決の 4 ステップと 15 キーワード

『天才 IT 大臣オードリー・タンが初めて明かす 問題解決の 4 ステップと 15 キーワード』(オードリー・タン,文響社,2021年12月9日)を読了。

オードリーにとっての合理的な理解法や分析方法とは,彼女が早くからかかわっていたオープンソースの世界と同じように,対話する相手が変わるたびにすべての人の側に立って(take all the sides)「傾聴」し,動的発展を完全に理解して調和させることを指している。(16 ページ)

対話する相手の側に立って傾聴すること,私はできていない。

  • 明確な未来予想図を持ち続けよう
  • 許可よりも寛大さを
  • 膠着状態を打ち破れ
  • 共通認識は求めず,創造性だけを追求しよう
  • コードを使ってコンセプトを説明しよう(22 ページ)

会社のデスクの目に付くところに見える化しておきたい。

現代の起業はメイド・イン・ザ・ワールド,全世界が一緒に行う創作活動なのです。(88 ページ)

現代の起業は,世界につながっている。

私が知識を吸収する習慣は,著作権や財産権が放棄された環境によって養われたものです。ですから私は,誰かから受けた恩をほかの誰かに返しているというわけです。(118 ページ)

オープンな環境から得た知識は,オープンな環境に還元する。

 

リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす

『リーン・スタートアップ ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす』(エリック・リース,日経 BP 社,2012年6月1日)を読了。

リーン・スタートアップでは検証による学び(validated learning)を単位として進歩を計測する。科学的な学びを基準にすれば,スタートアップの足を引っぱる無駄を発見し,源から絶つことができるのだ。(29 ページ)

成果ばかりを求めて,科学的な学びを基準にしたことはなかった。

スタートアップの目標は,できるかぎり早く,作るべきモノ――顧客が欲しがり,お金を払ってくれるモノ――を突きとめることだ。(30 ページ)

スタートアップとは,とてつもなく不確実な状態で新しい製品やサービスを創り出さなければならない人的組織である。(42 ページ)

スタートアップの経験はないのが,興奮できそう。

大企業は既存製品を少しずつ改良し,既存顧客を満足させること――クリステンセンが言う持続的イノベーション(sustaining innovation)――を得意としており,未来の成長をもたらす画期的な新製品を苦労して創り上げる破壊的イノベーション(disruptive innovation)は不得意というわけだ。(46 ページ)

持続的イノベーションだけでは,未来の成長はない。

king-masashi.hatenablog.com

一番のポイントは,どのような業界であれスタートアップは大きな実験だと考えることだ。「この製品を作れるか」と自問したのでは駄目。いまは,人間が思いつける製品ならまず間違いなく作れる時代だ。問うべきなのは「この製品は作るべきか」であり「このような製品やサービスを中心に持続可能な事業が構築できるか」である。このような問いに答えるためには,事業計画を体系的に構成要素へと分解し,部品ごとに実験で検証する必要がある。(77 ページ)

何を作るかよりも,持続可能な事業が構築できるかを考える。

今日のマネージャーに求められているのは,このような理論と自分を取りまく状況とを見比べ,適切な指針を適切なタイミングで採用するスキルである。(228 ページ)

マネージャーは理論を知っておく。知っていなければ,状況と見比べることもできない。

1911 年にテイラー*1はこう書いている――「いままでは人間が第一だった。今後はシステムが第一になる」。テイラーの予測は正しかった。我々は,いま,彼が思い描いた世界で生きている。

システムが第一となっているが,システムを動かしているのは人間のまま。

たしかにものを作るという面では効率が上がったが,いまの経済は相変わらず無駄が多い。無駄の原因は組織の効率が悪いからではなく,まちがった仕事をしているからだ――しかも産業規模で。ピーター・ドラッカーが指摘しているように,「やってはいけないことをすばらしい効率で行うほど無駄なことはない」のだ。(338 ページ)

経済の無駄を排除していけば,マクロの経済はよくなっていくだろう。しかし,無駄として排除されてしまう人も出てくる。

リーン・スタートアップを支える根本的な思想は,「思い込みを捨て,実験による検証という科学的な進め方をする」だろう。だから,手法を正しく学べば誰にでも使える。(367 ページ)

経験・勘・度胸に基づく思い込みは捨て去り,実験による検証を行う。

*1:フリデリック・ウィンズロー・テイラー。『科学的管理法』を提唱。

「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書

『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(西岡 壱誠,東洋経済新報社,2018年6月14日)を読了。

  • 東大生がみんなやっている読書術
  • 東大生並みの読解力が身につく読書週間
  • 東大生になれる読書テクニック

目標を高く持つというのはどんなことにおいても大切なことです。事実,東大生の多くは「逆算」という言葉をよく使います。まずは目標をできるだけ高く,遠くに設定して,それから,そこに行き着くための手段を考えるのです。スタート地点からではなく,「ゴール地点」から考えて行動する。そうすることによって自分の可能性を殺さず,より遠くに行くことができるのです。(位置 No. 720)

目標をできるだけ高く,遠くに設定して,目標に向かって行くだけ。

手が届きそうな目標では,高く,遠くに行くことはできない。

「追求読み」には,もう一つ大きな効果があります。「自分で考えるから,より深い知識が得られる」ということです。(位置 No. 1235)

ただ読むだけではなく,考えながら読む。考えながら読むことで,知識が得られる。

「一つの意見にこだわらず,いろいろな角度から物事を考えられる人間のほうが,学問をする上で成長できる」(位置 No. 2085)

一つの意見にこだわらないため,他の人に意見をぶつけてみる。

会社の人だけでなく,社外の人にも意見をぶつけることで,新しい気づきが得られる。

「時代を超えて読み継がれている古典」というのは,「時代を超える」だけの力が,「時代の流れに負けない」だけの魅力がある作品(位置 No. 2948)

新しい作品もいいが,時代を超えて読み継がれている古典も読んでみる。

「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考

『「考える技術」と「地頭力」がいっきに身につく 東大思考』(西岡壱誠,東洋経済新報社,2020年8月13日)を読了。

記憶力がいい人は,このように覚えるべき事項を身の回りのことと関連づけたり,その事項が誕生した理由を探ったりすることで,「丸暗記」をせずに覚えることができるわけです。(位置 No. 488)

覚えるべき事項については,意識的に関連付けを行う。

「当たり前」ではすまさずに,「どうしてこうなったのか?」をしっかりと考え抜く人間こそ,多くの知識を得ることができる。(位置 No. 612)

「なぜ」「どうして」と問い続けることが,知識を得るためには必要。

要約とは,説明が長い物事や文章の「大事なところ」のみを残して他を削ぎ落とし,短い言葉で説明することです。この能力のことを「要約力」と呼ぶわけですが,実はこれも記憶力と同様に「日常の解像度」を高めることで鍛えられるのです。(位置 No. 900)

要約ができる人は,高い解像度を持っているということ。

解像度が高い人に思われたいわけではないが,私が作成する資料には,要約をつけることが多い。

頭のいい人は,日常生活のレベルから,目的の解像度が非常に高いです。「数学の成績を上げたい!」ではなく「次の数学の試験で偏差値を 5,点数で言えば 15 点,微分積分の分野で成績を上げたい」。「料理がうまくなりたい!」ではなく「1 週間後に友達に料理を振る舞う会までに,5 種類以上の料理を普通の水準でつくれるようにしたい」。

このように,具体的で次の行動に落とし込みやすい目的を設定するのです。(位置 No. 1439)

頭がいい人には,WBS が自然と身についている。

「目的」が先で,「手段」は後。目的をしっかりさせれば,手段も自ずとついてくる。(位置 No. 1490)

「目的」をはっきりさせる。そして,「目的」を達成するための手段を選ぶ。

東大生って議論がめちゃくちゃ大好き

(中略)

議論したほうが,よりよいアイデア,より深い考えが得られると知っている(位置 No. 2060)

一人で考えるよりも,他の人からコメントをもらうことで,アイデアが磨かれるし,考えも深まる。

このブログにもコメント頂き,アイデアを磨き,考えを深めたいのだが・・・。

マクロとミクロを行き来する努力をする人こそが,頭がいい人になれます。逆に言えば,頭がいい人とそうでない人との違いは,その程度のことでしかない(位置 No. 2341)

マクロとミクロを行き来することで,理解を深めていく。

 

データサイエンティスト入門

『データサイエンティスト入門』(野村総合研究所データサイエンスラボ,日経 BP,2021年12月15日)を読了。

企業としては,研修制度や育成プログラムを整備するとともに,各企業が求めているデータサイエンティスト像を明確にし,周知することが必要になります。企業がデータサイエンティストを通じて何をやりたいのかを明確にすることと同じです。データサイエンティストが自身の能力を高めることも重要ですが,受け入れる企業側も成長することが求められます。(p. 35)

企業がデータサイエンティストにやらせたいことを明確にしておく。

データサイエンス業務の流れ(p. 77)

  1. ビジネス課題の把握,データ分析目標の設定
  2. 分析対象データの調査,分析環境の準備
  3. データ分析の仮説構築と計画
  4. データ分析の準備
  5. データ分析の実施
  6. 分析結果やモデルの評価
  7. ビジネス適用に向けた活動

どんなデータを扱うにしても,ビジネス課題の把握,データ分析目標の設定から始まる。

一方でデジタル化の進展は,データサイエンスに直結することが多くあります。デジタル化が進むことで,新たに取得できるデータは莫大に増加します。そのため,データサイエンスと関係することが多いのです。DS は DX とは関係なく必要なものですが,DX といえば DS も重要になってくると言えます。(p. 151)

デジタル化で取得したデータをどのように活用するか,一歩先を考えてみる。

データサイエンティストに必要な能力は「ビジネス力」「データサイエンス力」「データエンジニア力」であると述べました。これに対して,大学の学部を対応させると,「ビジネス力」は経営学部,「データサイエンス力」は理学部(数学科など),「データエンジニアリング力」は情報学部などが考えられます。データサイエンティストは 3 つの能力をバランスよく持つことが重要なのですが,この 3 つをバランスよく習得させる学部がありませんでした。(pp. 163 - 164)

データサイエンティストには,マルチな能力が求められる。データサイエンス力やデータエンジニアリング力を持っており,ビジネスの現場でビジネス力を伸ばしていれば,データサイエンティストに必要な能力は持てる。

日本政府の「AI 戦略 2019」(令和元年6月総合イノベーション戦略推進会議決定)によると,「我が国が,人口比ベースで,世界で最も AI 時代に対応した人材の育成を行い,世界から人材を呼び込む国となること」を目標に掲げ,日本における AI 推進のために,人材育成を重視すると明言しています。(p. 167)

人材育成を重視すると明言していても,実践が身の回りで起こっていない。

データサイエンスのビジネス活用が進むことにより,データサインティスとの活躍の場は拡大してきました。一方で,データサイエンスを活用しようとする企業(経営側)の意識は古いままというケースも多く見られます。データサイエンティストを活用する側の意識改革も重要な課題と言えます。(p. 200)

ただし,数十年変わっていない意識を変えることは,容易ではない。

データサイエンスはあらゆる場面で必要となります。マーケティング,受発注,工場における製造工程,配送,従業員の管理,人事制度など,データがあるところすべてでデータサイエンスが求められています。データサイエンスの役割は,現状把握から,将来予測,戦略提案まで幅広くなってきました。データサイエンティストはデータを分析するだけではありません。企業経営のあらゆる分野において,縁の下の力持ちとしてデータサイエンティストが求められているのです。(p. 213)

現状を把握し,将来を予測し,戦略を提案するなど,データサイエンスの守備範囲は広い。