Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

トヨタ生産方式―脱規模の経営を目指して― 大野 耐一

2020年10月10日作成

トヨタ生産方式――脱規模の経営を目指して――』(大野 耐一*1ダイヤモンド社,1978年5月25日)を読了。

そこでトヨタ生産方式を適用する前提として,ムダの徹底的な摘出が行われる。(p. 38)

  1. つくりすぎのムダ
  2. 手待ちのムダ
  3. 運搬のムダ
  4. 加工そのもののムダ
  5. 在庫のムダ
  6. 動作のムダ
  7. 不良をつくるムダ

 自分の仕事にムダがないか,徹底的に摘出してみる。

企業が大きくなればなるほど反射神経をうまく設置しなければならない。ちょっとした計画を変更するのにも,大脳の命令が出なければやれない,つまり,生産管理部が伝票を切る,計画変更書を出す,そんなことをやらなければ動き出せないようでは,企業はヤケドか大けがから免れることはできないし,大きなチャンスを逃してしまう。(p. 83)

私の勤めている会社の反射神経はどうか。
大きなチャンスを逃す前に,ヤケドか大けがをしてしまいそう。

ムダ排除ということも,具体的には人と在庫を減らし,設備の余力をはっきりさせ,二次的なムダを自然消滅させることによって,原価低減を実現させようとするものである。(p. 99)

ムダを排除することが,至上命題か。

なにごとでもそうだが,人間はフォードの指摘するとおり,長い間のしきたりで動いてしまう。それは個人生活の場では許されるかもしれぬが,工業の場にある企業のなかでは悪いしきたりは排除していかなければならない。(p. 196)

悪いしきたりはないか,今一度振り返ってみる。

「動き」を「働き」にする

いくらよく動いても,働いたことにはならない。「働く」とは工程が進み,仕事ができ上がることで,ムダが少なく効率の高いことである。管理監督者は部下の「動き」を「働き」に変える努力をしなければならない。(pp. 220 - 221)

自分の仕事は「働き」になっているだろうか。
自分の仕事が生み出す価値を考えてみよう。

トヨタ生産方式

トヨタ生産方式

 

 

*1:トヨタ自動車工業(株)副社長

図解これだけは知っておきたい AI(人工知能)ビジネス入門 三津村 直貴

2020年10月9日作成

『図解これだけは知っておきたい AI(人工知能)ビジネス入門』(三津村 直貴,成美堂出版,2017年9月20日発行)を読了。

モラベック*1のパラドクス

「人間には簡単なことが,機械にとっては非常に難しい」(p. 54)

機械にとっては難しいであろう能力を伸ばしていく。

エキスパートシステムとは,専門家の知識(データ+ルール)を構造化して,人工知能に教え込んだもの。(p. 69)

エキスパートは,世界に数人いれば十分。
エキスパートシステムができていない分野のエキスパートを目指す。

彼ら*2が未知の状況に対応できるのは,それまでに経験した状況に共通する要素や特徴があり,そこから「次はこうなる」という予感が抱けるのだと考えられます。(p. 202)

「次はこうなる」という予感を抱くロジックを知りたい。

楽観的なシンギュラリティ後の社会(p. 225)

  • 食料や物質の生産が効率化,自動化されることで,貧困を原因とする紛争や犯罪が減る。
  • 医療や介護が高度に自動化されることで,誰もが優れたサービスを受けられ,労働者の負担も減らせる。
  • 人間がやってきた仕事の大部分を人工知能がこなしてくれるので,人間の仕事は趣味に近い感覚になる。

仕事は趣味に近い感覚は,今でも抱いている。
今後,ますますその感覚が強くなっていくのだろう。

 

*1:人工知能研究者ハンス・モラベック

*2:経験豊富な人間

トヨタの自工程完結 佐々木 眞一

2020年10月8日作成

『現場からオフィスまで,全社で展開する トヨタの自工程完結 リーダーになる人の仕事の進め方』(佐々木 眞一,ダイヤモンド社,2015年11月12日)を読了。

これも海外に出て感じたことですが,日本では,とにかく情報の共有化ができていません。言葉を換えれば,どの仕事がどの程度のレベルで行われるべきなのか,標準が共有されていないのです。(p. 15)

 仕事を言語化して,標準として共有したい。

あらためて思ったのは,現場実習に行くのは,作業を学びに行くのではなかったということでした。もとより作業者としては,半人前くらいの仕事しかできない。現場では,お客さん扱いなのですから。それよりも,技術者が何をやるべきか,現場のためにできることは何なのか,それが刷り込まれた実習になったのでした。(p. 35)

現場に行くのは,現場のために何ができるかを考えるため。

すべての仕事に,必ずうまくいく仕事の進め方=「工程」はあるのです。それを,しっかり洗い出しているか,そうでなくて,ぼんやりとした中で仕事をしているかの違いだと思うのです。(p. 79)

どうすれば,仕事がうまく進んでいくのか,工程で考える。

設計変更が少ないとは,つまり正しい結果が出ているということ。その理由は,しっかりプロセスを考えているところにありました。「自工程完結」の定義を考えていく中で,これはとても大きなヒントになりました。(p. 143)

書類や資料の見直しは,設計変更である。
設計変更の手戻りをいかに減らしていくかを考えることが,プロセスを考えること。

自分にしかできないというのは,おかしいのです。そのノウハウを開示し,共有すれば,八割の仕事は誰にでもできるようになる。(p. 165)

自分にしかできない仕事をつくらない。

近年,会社は忙しくなったと言われています。私はこれは,「やりたいこと」と「やれること」がくっついた社員が増えたからではないか,と感じています。だから,忙しいのです。「やるべきこと」をほったらかしているから,忙しくなるのです。(pp. 222 - 223)

当たり前だが,まずは「やるべきこと」をやる。

管理者の大きな役割は,「やるべきこと」と「やりたいこと」をくっつけてあげられるか,ということです。自助努力,自己研鑽,能力向上も部下には必要ですが,管理者の力が,やはり大きいのです。(p. 224)

「やるべきこと」を「やりたいこと」と思えるようにできればよい。

意思決定のスピードがきわめて重要になっているのです。みんなで決めることが,意思決定のスピードを遅くするなら,どんなに正しい結論を出しても何も生み出せないと言ってもいい。(p. 232)

意思決定のスピードが致命傷になる可能性がある。
正しい結論を追い求めるのも大事だが,スピードも追い求めなければならない。

大事なことは,お客さまのために新しい何かを生み出し続けていくこと。その環境を作っていくことです。(p. 238)

お客さまのためだと思える仕事をする。

 

ビッグ・クエスチョン<人類の難問>に答えよう スティーブン・ホーキング

2020年10月7日作成

『ビッグ・クエスチョン<人類の難問>に答えよう』(スティーブン・ホーキングNHK 出版,2019年3月31日)を読了。

勇気を持とう。知りたがりになろう。確固たる意思を持とう。そして困難を乗り越えてほしい。それは,できることなのだから。(位置 No. 346)

勇気と確固たる意思があれば,困難を乗り越えられる。

私はアインシュタインと同じく,「神」という言葉を,人格を持たない自然法則という意味で用いる。したがって,神の心を知るということは,自然法則を知るということだ。私の予想では,今世紀の末までに,人類は神の心を知ることができるだろう。(位置 No. 412)

八百万の神は,八百万の自然法則を示している。

ビッグバンの前には何があったのですか?

私たちの「無境界(ノーバウンダリー)」の提案によれば,ビッグバンの前に何があったかと問うことには意味がありません。「前」を示すために必要な時間の概念がないからです。それを問うことは,南極点のさらに南には何があるのかと問うのに似ています。時間の概念があるのは,私たちの宇宙の内部だけなのですから。(位置 No. 879)

時間の概念がなければ,ビッグバンの前など問えない。

人間がコンピュータに尋ねた。「神は存在するか?」

コンピュータはこう答えた。「いまや,神はここにいる」

そしてプラグのヒューズを飛ばした*1。(位置 No. 2412)

そう遠くない未来に,google で「神は存在するか?」と検索したとき,「神はここにいる」と検索結果が表示されそう。

顔を上げて星に目を向け,足元に目を落とさないようにしよう。それを忘れないでほしい。見たことを理解しようとしてほしい。そして,宇宙に存在するものに興味を持ってほしい。知りたがり屋になろう。人生がどれほど困難なものに思えても,あなたにできること,そしてうまくやれることはきっとある。大切なのはあきらめないことだ。想像力を解き放とう。より良い未来を作っていこう。(位置 No. 2568)

あきらめず,想像力を解き放ち,より良い未来を作っていく。

 

*1:コンピュータは電源スイッチを切ろうとした人間に雷を落とし,緊急停止スイッチのヒューズを飛ばして電源を切れないようにした。

NEWTYPE ニュータイプの時代 山口 周

2020年10月6日作成,2021年1月4日更新

NEWTYPE ニュータイプの時代』(山口 周,ダイヤモンド社)を読了。

このような世界にあって,目的や意味を明確にすることなく,ただひたすらに生産性を求めて量的成果を追求するオールドタイプは,さらなる「クソ仕事」を作り出して周囲のモチベーションを破壊し,自らも「無意味の泥沼」へと陥っていくことになるでしょう。(p. 27)

オールドタイプ(OLDTYPE)に分類される人は,何人も思い浮かぶ。

「VUCA 化の進行」は,私たちがこれまで「良い」と考えてきたさまざまな能力やモノゴトの価値に大きな影響を与えることになります。ここでは代表的なポイントを 3 つ挙げておきましょう。(p. 28)

  1. 経験の無価値化
  2. 予測の無価値化
  3. 最適化の無価値化

VUCA*1 化が進めば,経験,予測,最適化は,価値を持たなくなる。

VUCA の世界では,経験は役に立たない。

イノベーションの定義は極めて混乱した状況にあり,率直に言って明確な定義は存在しないと言って構わないと思いますが,多くの経営学者や実務者による定義の最大公約数となる要件を抽出すれば,「方法論としての革新性」と「生み出した経験価値の大きさ」という 2 点に収斂することになります。(pp. 51 - 52)

今と同じ仕事のやり方では,イノベーションは生まれない。

一方で,進化するテクノロジーを用いることで,現在の社会が抱える課題をどのように解決できるかを考えるニュータイプは,環境変化を自らのチャンスに変えていくことで,大きな豊かさを生み出していくことになるでしょう。(p. 73)

新しいテクノロジーを活用することで,足元の課題だけではなく,今まで手も足も出なかったような社会が抱える問題に向かっていく。

「モノ」も「カネ」もいったん量が決まってしまえば,それが後で変わることはありませんが,「ヒト」は与えられる「意味」の豊かさによって放出するエネルギーの量が大きく変わります。(p. 90)

ヒトに意味を与えれば,パッションが生まれ,エネルギー量は大きくなる。(意味がパッションの原動力か。)

これが「役に立つ」と「意味がある」の市場特性の違いです。ハサミやホチキスなどの文房具は「役に立つけど,意味がない」という市場に生息しています。つまり評価関数が収斂する市場で戦っており,したがって定番商品を置いておけば誰も文句は言わず,それを買ってくれるということです。(p. 114)

自分の仕事に意味があるのか,考えてみよう。

翻って,現在の日本企業においては,「それは何の役に立つの?」という経営陣の問いかけに応えられないアイデアは資源を配分されません。しかし,世界を変えるような巨大なイノベーションの多くは「何となく,これはすごい気がする」という直感に導かれて実現しているのだということを,我々は決して忘れてはなりません。(p. 163)

現在の日本企業で,イノベーションが生まれない理由の一つ。
「それは何の役に立つの?」というクソな問いかけをやめてしまえ。

GDP に代表される経済指標は今日,「豊かさ」や「健全性」を示す指標としてはもはや無意味になっています。現在の日本では,「モノ」から「意味」へと価値の源泉がシフトしています。(p. 182)

「意味」を最も大事な指標としよう。

市場が社会における適切なリソースの配分を実現してくれるのであれば,誰もがフリーエージェントとして働き,必要に応じてプロジェクトを組んで協働し,プロジェクトの終了後は解散するというやり方こそ最も効率的なはずなのに,なぜ多くの人は大規模で官僚的な組織に所属し,その中で経済活動を行っているのだろうか,という疑問です。(p. 191)

これからは,プロジェクトに生きる人になる。
そして,プロジェクトを引っ張っていける人になる。

「努力は報われる」という主張には一種の世界観が反映されていて確かに美しく響きます。しかしそれは願望でしかなく,現実の世界はそうではないということを直視しなければ,「自分の人生」を有意義に豊かに生きることは難しいでしょう。(p. 207)

 「努力は必ず報われる」の世界観だけでは,人生を変えられない。

限界費用が低下し,「試す」ためのコストがどんどん低下すれば,今後の世界ではますます「戦略的な計画」よりも「意図された偶発性」の方が,最終的により良い成果に結びつく可能性が高まることになります。(p. 244)

戦略的な計画なんて,机上の空論に過ぎない。
試してみることでしか,わからないことがある。

かくして,無教養な経営者とサイエンス重視の参謀スタッフによる「構想なき生産性の向上」への終わりなき行軍が組織に求められ,従業員のモラルとモチベーションを破壊し,コンプライアンス違反が頻発しているというのが現在の日本の大企業の状況です。(p. 282)

私が勤めている会社において,「構想なき生産性の向上」への終わりなき行軍は始まっている。

リベラルアーツのリベラルとは自由という意味であり,アートとは技術のことです。したがってリベラルアーツとは「自由になるための技術」ということになります。(p. 284)

私は,自由になりたい。
そんな私には,自由になるための技術(リベラルアーツ)が必要。

ニュータイプの時代

ニュータイプの時代

 

 

 

*1:Volatility(変動性), Uncertainty(不確実性), Complexity(複雑性), Ambiguity(曖昧性)

経営が元気になる「システム開発」の極意 植村 隆文

2020年10月5日

『経営が元気になる「システム開発」の極意』(植村 隆文,2013年4月12日)を読了。

「要するに,システム開発っていうのは,社長から現場までちゃんとコミュニケーションをとって,意思統一した上で,寄り道せずに,目的地までの最短距離をチームで走っていけばいいのね」(p. 4)

社長から現場まで,さまざまな人がいる中,意思統一した上で,寄り道せずに,目的地まで最短距離を走るのは,難しい。

システム開発は物品調達と同じ」という誤解。それが第一の要因である。(p. 14)

システムは物品ではない。

「システムは万能。何でもできる」という妄信。これが第二の要因である。(p. 19)

システムは万能ではない。

システム開発の 80 % は最初の設計で決まる」とよく言われるほど,周到な最初の設計が実は最も重要な作業なのだ。(p. 38)

システム開発の最初の設計には,妥協しない。

「DSJ 」とは「Design-leading System by Joho section」の略であり,(発注側の)情報システム部門が中核主体となって,経営戦略を反映させ,きちんと設計を実施した上で,プログラミングを行う,システム開発の手法である。(p. 52)

私が勤めている会社では,そもそも情報システム部門が中核主体になれていない。

DSJ 方式の設計(p. 103)

  • システム概要と目的
  • 画面業務フロー
  • データベース設計
  • システム構成設計(ハードウェア構成,ソフトウェア構成,ネットワーク構成)
  • 外部インターフェース設計
  • 性能設計
  • セキュリティ設計
  • 運用・保守設計
  • 設計ガイドライン
  • 開発ガイドライン

 DSJ 方式の設計項目それぞれについて,イメージを持っておく。

【会議】(p. 109)

  1. 打合せの成果の確認と承認を行う場。
  2. 全体の進捗状況と懸案事項の情報を共有する場。
  3. 懸案事項についての対応方針を確認する場。

【打ち合わせ】

  1. 担当者間で,仕様などの確認を行い,意見交換する場
  2. 担当者間で,スケジュールの確認と懸案事項の洗い出しを行う場
  3. 担当者間で,個別の問題点や課題について,対応策を検討する場

会議と打ち合わせの意味を使い分ける。

「ユーザーの言うことは鵜呑みにするな」(p. 132)

ユーザの言うことは,あくまでも 1 ユーザの言うことに過ぎない。

システム開発のベースは人件費だ。コスト=工数(人月)であり,誰が何日かけて,今月はどのくらいの出来高であるという予実算管理がなければ,費用はいくらあっても足りない。(p. 162)

システム開発の委託先だけではなく,社内でどれくらいコスト(人件費)をかけているのかも把握しておく。

データ分析できない社員はいらない 平井 明夫・石飛 朋哉

2020年10月4日作成

『データ分析できない社員はいらない』(平井 明夫・石飛 朋哉,クロスメディア・パブリッシング,2012年2月1日)を読了。

ビジネス・インテリジェンス*1

「専門家に頼ることなく,社内の誰もが会社内に蓄積されたデータを使用し,さまざまな分析を行い,経営に生かすことができるようにする仕組みづくり」(位置 No. 8)

2020年現在,社内の誰もがデータを使用して,分析できるスキルを持っているわけではない。

 

*1:1989 年に当時米国の市場アナリストであったハワード・ドレスナー氏が提唱