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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

面白くて眠れなくなる社会学

『面白くて眠れなくなる社会学』(橋爪大三郎PHP 研究所,2015年2月6日)を読了。

戦争とは,《暴力を用いて,自分の意思を相手に押しつけること》,をいいます。(これは,クラウゼヴィッツ戦争論』の,有名な定義です。)(位置 No. 219)

自分の意志を相手に押しつけるために暴力を選んではならない。しかし,今日においても戦争がなくならないことを考えると,暴力に抗う力を持つ必要もある。

一般の法律は,国が決めて,人民が守ります。人民の全員でなく,関係ある人びと(政府の職員や,特定の業界のひと)だけが守る法律もあります。警察官は,警察官職務執行法を守る,医師は,医師法を守る,などです。

憲法は,この向きが正反対です。人民が,約束を守らせる側。国(政府や議会や裁判所)が,約束を守る側です。人民が政府に言うことを聞かせるところに,憲法の本質があります。(位置 No. 287)

日本国憲法は一度も改憲されていない。国に対して約束させることは,増えたり,減ったりしないのだろうか。

ところが,ODA をいろいろやってみても,第三世界はなかなか,貧困を脱出できないことがわかってきました。社会インフラは,道路や港湾のようなコンクリートのかたまりではなくて,人びとの勤勉や合理的な行動様式を育てることなのです。それに向けた,新しいアプローチが必要です。(位置 No. 611)

DX をいろいろやってみても,組織はなかなか変わらないことがわかってきた。

DX はシステムやツールを導入するだけでなく,組織の人びとの勤勉や合理的な行動様式を育てることなのです。

ODA,DX もいずれも主役は人だと考えておく。

料理した食事を,一緒に食べる。これが,家族の基本です。それは,食べ物を手に入れるために出かけなかったひとも,食べる権利があるということです。食べ物を手に入れたひとは,みんなに分ける義務があるということです。どうです,なかなかよい仕組みでしょう。ここに家族の本質があります。(位置 No. 946)

家族の基本は,食事にあるというのは,なるほどと思う。

なぜ人びとが,子どもを生まないかというと,一番関係があるのが,収入です。いまの収入もさることながら,この先,景気がよくなって収入が増える見込みがない,とみんな思っているのです。すると,老後も心配だから,子どもは少なくていいか,という結論になります。(位置 No. 1068)

明るい未来を想像できなければ,今を生きることしか考えられない。だから,未来の象徴である子どもを生むという選択ができない。

そもそも,正義を定義するのも難しいのです。

これまで私が聞いた定義のなかで,なるほどと納得できたのは,こういう言い方でした。

《同じものは同じように,異なるものは異なるように,扱う。》

これはなかなかいい考え方です。同じものは同じように,扱いなさい。私もあなたも,同じ人間です。同じ人間なら,公平・平等に扱ってください。これが原則です。(位置 No. 1297)

何らかの正義に対峙するとき,《同じものは同じように,異なるものは異なるように,扱う。》ができているか確認してみよう。