『図解入門ビジネス 製造現場の見える化の基本と実践がよ~くわかる本』(石川 秀人,秀和システム,2009年10月3日)を読了。
7 つの罪悪は,ムリ・ムラ・ムダといった弊害などを生みます。(p. 11)
- ムリ:人や設備に対して過度の負担・負荷をかけること
- ムラ:人や設備に対する負荷のバラツキのこと
- ムダ:付加価値を生み出さず原価だけを高める諸要素のこと
ムリ・ムラ・ムダの弊害を取り除こう。
工程管理の状況が見えなければ,生産指示で手待ちが生じ,進捗管理で遅れ進みに対応できなくなり,作業実績管理で結果の把握も難しくなる。(p. 20)
チームメンバーの仕事の状況を見える化することから始める。
見える化のねらい(p. 27)
このように見える化は,見えることで改善ニーズが生まれ,行動を通じてムダの徹底排除と人づくりにより,組織が変化していきます。
見える化のねらいを忘れない。
1 日の人(作業者)の動きをよく観察してみると,その動き自体が顧客から対価を得ることができるような付加価値のある正味作業か,付加価値のない非正味作業なのかという 2 つに区分できます。(p. 72)
付加価値のある正味作業に時間を費やそう。
「できない理由の説明より,やる方法を考える」(p. 116)
できない理由の説明(言い訳)は,考えない。
文書類の流れをつくる(p. 154)
使用頻度に応じて普段使用するものは近づけ,あまり使用しないものは遠ざけます。
- 保管:日常的に使用する文書を「保管文書」として定義し,使いやすい場所に置く。
- 移し替え:保管期限が切れた文書を,移し替える。
- 置き換え:一定期間経過した文書は自分から遠ざけた場所に置き換える。
- 保存:オフィスで保存期限が切れた文書は「保存文書」として保存する。
- 廃棄:保存期間が経過した書類を廃棄する。
文書類の整理は定期的に行おう。
電子データの見える化(p. 157)
- 作成中のデータはデスクトップに置く
- 活用中のデータは自分のパソコン内にフォルダーを設け置く
- 保管するデータはサーバー内にフォルダーを設け置く
- 保存するデータは電子媒体に記録する
電子データ保管のルールを決めて,実践しよう。
改善ストーリー(p. 168)
改善ストーリーに従い,今どの段階なのか見える化し,進捗管理を行います。
- 現状の把握
- 目的・方針・テーマの選定
- 改善目標の設定
- 要因解析
- 改善案の立案
- 改善の実施
- 改善成果の測定
- 標準化・歯止め
- 運用と水平展開
改善を行うときのフレームとして利用する。
原価主義では,売値=原価+利益です。
原価低減では,利益=売値-原価です。
売値は,市場が決めるため市場価格の売値に対しどれだけ原価低減を図るかで差し引きの利益がはじかれます。原価低減を図らない限り,利益は増えないとも言えます。(p. 200)
送配電事業者の利益を確保せず,各社に原価低減を促すことで,収入の中から利益を捻出させようとするレベニューキャップ制度は,原価主義から原価低減へのパラダイムシフトか。
「真剣だと知恵が出る,中途半端だと愚痴が出る,いい加減だと言い訳ばかり」(p. 208)
いい格言。