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2時間でわかる図解「金融工学」のことがよくわかる

2020年8月27日更新

『2時間でわかる図解「金融工学」のことがよくわかる』(日興リサーチセンター投資工学研究所,中経出版,2000年7月7日発行)を読了。

 運用面で最も重視されるのが,利益を極大化すると同時に,リスクをどうやって分散するかということだが,これを理論化したのがポートフォリオ理論である。(p. 31)

ポートフォリオ理論があるならば,投資家たちの利益は極大化し,リスクは分散されているはずなのではないか。

 シャープは共通なファクターとして市場ポートフォリオに注目し,各証券と市場ポートフォリオの感応度(ベータ)でリスクを把握することを考えた。これは簡単にいえば,その銘柄が市場全体の動きより大きく変動するのか,あるいは市場が動いている時でもあまり変動しないのかを数値で把握しようというものである。これはシングル・ファクター・モデルと呼ばれている。(p. 82)

市場全体の動きが緩慢ならば,感応度の大きい銘柄を組み入れる。

 ブラウン運動を金融市場の価格変動に取り入れたのが,フランスの数学者ルイ・バシェリエである。バシェリエの研究は株価をブラウン運動同様に無秩序に動いていると考え,この動きに確率という概念を取り入れて数学的に表現した。

 バシェリエは,この理論を 1900 年に博士論文「投機の理論」で発表した。この時,パシェリエが導いた数式は,5 年後にアルバート・アインシュタインが理論を組み立てたブラウン運動の研究と同じ理論だった。(pp. 83-84)

物理の世界よりも,金融の世界の方が複雑であるため,金融工学は物理工学に比べて進んでいないように見えるのか。

 シャープの CAPM(Capital Asset Pricing Model : 資本資産評価モデル)は,モデルの前提条件として市場はストロング型の効率的市場であり,投資を妨げる不都合(例えば単位未満の株式が変えない,借入と貸付で金利が異なるなど)が全くないことを仮定している。(p. 91)

現実の市場をモデル化して,明日の株価を予想することは可能だろうか。

 同様に,各資産の投資比率を短期的に変更する運用手法として「ポートフォリオ・インシュアランス」と呼ばれる手法がある。ポートフォリオ・インシュアランスとは,株式とキャッシュの保有比率を適宜見直すことによって実現しようとする運用手法である。(p. 130)

株式とキャッシュの保有比率を見直すアルゴリズムをこの手法に求めよう。

 同じ時期,日本国内ではデフレ経済と金融システム不安の真っ只中で(この年の 10 月,日経平均は 13 年ぶりに 13,000 円を割り,国債指標銘柄の利回りは史上最低 0.7 % 台に低下した)不良債権処理に喘ぐ銀行の預金を引き出し,現金(貨幣)をタンス預金した人たちも多かった。日本ではロシアとは逆に円の貨幣としての信認が厚かったということである。(p. 200)

円の貨幣としての信認が厚いばかりに,タンス預金がなくならないのか。
円の信認を意図的になくしてみようか。

 特に,値動きのみに反応する個人投資家が増えることで,企業の業績やマクロ指標などのファンダメンタルズを分析して運用方針を決定していた従来の投資家達にも影響を及ぼしている。実際,米国の著名な投資家であるウォーレン・バフェットは,自分の相場観と極端に乖離した現在の株式市場を見て,彼の巨大な運用資金の多くを債券などの安全な資産に移してしまった。(pp. 214-215)

この本が書かれたときと現在では状況が異なるか。
結局,ウォーレン・バフェットも株式市場に戻ってきたのではないか。

市場価格には様々な雑音(ノイズ)が入っており,「本来価値」を映し出すには,このノイズを特定して取り除く必要がある。(p. 219)

物理工学のテクニックを,金融に応用できるチャンスは,まだあるのではないか。
思ったよりも,金融工学が進歩していないように見える。