Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

組織力-宿す,紡ぐ,磨く,繋ぐ

「仕事を任せられる人」を得るのに抜け道などないのだ。仕事を共にする経験を持たせない限り,仕事を任せられるようにはならない。それには時間がかかる。とにかく時間がかかるのである。(p. 099)

色々な人と仕事を共にし,仕事を任せられる人を見つける。

ある会社では,誰に聞けばいいのかが分かれば,問題は8割方解決したも同じとまで言われている。(p. 104)

その道のプロを知っておくことで,問題に直面したとき,プロを頼ることができる。

私が拙著『虚妄の成果主義でいちばんに主張したかったことは,次のような事実だった。

ある程度の歴史をもった(つまり,生き延びてきた)日本企業のシステムの本質は,給料で報いるシステムではなく,次の仕事の内容で報いるシステムだった。仕事の内容がそのまま動機づけにつながって機能してきたのであり,それは内発的動機づけの理論からすると最も自然なモデルでもあった。他方,日本企業の賃金制度は,動機づけのためというよりは,生活費を保障する観点から平均賃金カーブが設計されてきた。この両輪が日本企業の成長を支えてきたのである。それは年功序列ではなく,年功ベースで差のつくシステムだった。(pp. 143-144)

少なくとも,私の会社においては,今もこのシステムは維持されている。

日本の工場では,雇い主は従業員の解雇や一時解雇をしようとしないし,また従業員の解雇や一時解雇をしようとしないし,また従業員も辞めようとしないということを指していた。これこそが従業員の時間的射程距離を伸ばすのである。(p. 150)

時間的射程距離が長ければ,長いスパンで物事を考えるようになるのか。

だから上司は,部下に仕事をさせてみて,一つの仕事を達成したら,次に,より大きな仕事を。それを達成したら,さらに大きな仕事を・・・・・・と,だんだんと一回りずつ大きな仕事を与えようとする。そうしないと,いざ上司自身が大きな仕事を任せられたときに,困ってしまうからである。(p. 169)

始めは小さな仕事,だんだん大きな仕事となるように調整していく。

組織能力は企業によって異なる個々の企業に特有な能力である。(中略)組織能力は文字どおり組織の属性であり,組織に属する個人が持つ才能は組織能力とみなされない。組織能力は個人能力の束ではあるが,それはその組織だからこそ身についた個人の能力が調整された体系である。(pp. 216-217)

組織の中で身につけた能力を活かすのは,組織の中でしかない。

組織力 宿す、紡ぐ、磨く、繋ぐ (ちくま新書)

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