Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

国家の暴走 安倍政権の世論操作術

その戦略転換を支えるのは,「国民は愚かで単純である」という哲学だ。具体的に言えば,

  1. ものすごく怒っていても時間が経てば忘れる
  2. 他にテーマを与えれば気がそれる
  3. 嘘でも繰り返し断定口調で叫べば信じてしまう
ということを基本にしている。

「国民は愚かで単純である」から,今日の日本はいくつもの問題を抱えているのではないだろうか。国民が賢明であれば,スピード感をもって課題解決に向けた政策を進めていくことができると思うが・・・。

そもそも,景気対策として公共事業を増やすのは,工事量を増やして景気を良くするのが目的だ。しかし,すでに建設業界の受注量は限界に来ているので,これ以上公共事業の執行を増やそうとしても価格を上げるだけ。

新しい公共インフラを作るか否かの判断基準は,利益を追求する民間企業がインフラを作るときの判断基準に比べて甘いと思う。

ドイツでは労働組合が強く,労働者に対する保護がやや過剰だと言われてきた。そこで,かなり厳しめな雇用改革をしたところ,雇用のコストが下がり,それが経済成長に繋がったと評価されている。

日本の正社員に対する保護は手厚い。手厚い保護という既得権益を奪う雇用改革は,困難を極めるだろう。

経営者は,ふたこと目には,中国との競争と言い,労働者にもっと頑張って働けと言う。しかし,彼らにはマクロ的な状況が理解できていない。過去 20 年ほど,日本の経営者は,ほとんど何も考えずに,コストカットだけに明け暮れていた。グーグルやアマゾンやアップルのようにまったく新たなビジネスモデルを考える能力がない経営者ばかりだから,結局,今あるまったく独創性のないビジネスで競争するため,途上国にすぐに追いつかれ,労働者にコストカットのために生活を切り下げることだけを押し付けてきた。

新たなビジネスモデル,簡単に言うけれど・・・。優秀な人間が挑戦しやすい場を提供してあげることで,何か生まれることを期待。

先に私は,今の日本には公正さが欠けていると述べた。その一つとして,「努力せずに手に入れられる身分がたくさんある」ことが挙げられる。

這い上がろうと思えば幾多の困難があるだろうが,それを乗り越え,どこまでも這い上がることができるだから,問題なし。

国家の暴走 安倍政権の世論操作術 (角川oneテーマ21)

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