Masassiah Blog

現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

未来に先回りする思考法 佐藤 航陽

2020年9月13日更新

『未来に先回りする思考法』(佐藤 航陽,Discover)を読了。

リーンスタートアップにおいては,そもそも最初から計画することを放棄します。計画を作成しても,変化が早すぎてまったく役に立たないからです。それならばいっそのこと「未来は予測できる」という前提を捨て,変化が起きた瞬間に即座に対応し,修正を重ね,変化していけばいいというのがリーンスタートアップの概要です。(位置 No. 109)

 計画することすら,時間のムダになることもある。

インターネットの発達は「ガイア理論」の延長であるという,興味深い説があります。ガイア理論とは,地球と,地球上に生きるすべての生物をひとつの巨大な生命体と捉える理論です。

すべての自然も生物も,相互に影響を与え合いながらひとつのエコシステムをつくっているのだから,個々の生物を独立した存在として捉えるのではなく,すべてをひとつの生命体として俯瞰的に捉えるべきだというのが,その主張です。(位置 No. 534)

 エコシステムを成り立たせれば,事業として継続していく。

衛星が捉えた情報と,地上にちりばめられたセンサーから収集された情報がセットで分析されるようになれば,今までわからなかったことがパターンとして解明され,地球は人間にとってより理解可能な場所になるでしょう。(位置 No. 591)

 わからないことが解明されると,地球での住み方も変わってくる。

いずれも,そのテクノロジーが誕生した際には,「そんな未来はありえない」と言われていたものばかりです。Google が 2006 年に 16 億 5 000 万ドルで YouTube を買収した際,専門家と呼ばれる人さえも「YouTube のどこにそんな価値があるのか」と疑問視していたことは,あまり思い出されません。(位置 No. 634)

 YouTube を買収したとき,買収額の高さに驚いた記憶がある。
現在の YouTube の隆盛を見ると,安い買い物だったのかもしれない。

逆にイノベーション創出が叫ばれて久しい日本は,他国からの圧力もなく,自国の市場もそれなりに規模があります。イノベーションをする「差し迫った必要性」が日本社会には存在していないのです。(位置 No. 772)

「差し迫った必要性」を訴求すれば,イノベーション創出のモチベーションとなる。

近代のハブ型社会のように代理人に情報を集約させなくても,それぞれのノード同士ですぐに情報の伝達ができるのであれば,ハブが存在する意味はありません。むしろ,ハブに情報を集約させるほうが,コストがかかってしまいます。(位置 No. 872)

 ハブ型ではない未来を創造する。

実際にビジネスも政治も,目的はまったく一緒で,そのアプローチが異なるだけです。何かに困っている人たちのニーズを汲み取り,その解決策を提示するというプロセスは共通しています。その資金調達源が投資であればビジネスとなり,税金であれば政治になります。どちらも,問題解決のための行為です。(位置 No. 1310)

 問題解決力は,ビジネスでも政治でも重宝される。

今や,社会全体の利益(公益)と企業の利益が一致しないと,企業として成長できない時代になってきています。より多くの人に価値を提供しようと考えると,ビジネスは必然的に政治と同じく「公益性」を帯びるようになるのです。(位置 No. 1493)

 改めて公益性を訴求して,企業としての成長を目指していく。

シェアリングエコノミーは,各個人の余ったリソースをネットワーク全体で共有しあうシステムです。あるものを必要としている人とそれを提供できる人がハブを通さずに直接つながることができるので,社会全体での効率が大幅に上がり,コストが削減されます。シェアリングエコノミーは,人類の労働減少問題や格差問題を和らげる可能性を秘めています。(位置 No. 1779)

 シェアリングエコノミーは,労働力が減少する日本の打ち手の一つ。

この仕組みは,Google の経営陣ですらも常に正しい意思決定をすることは不可能だ,という前提に立ってつくられています。どれだけ多くの経験を積んでも,この世界の「不確実性」からは逃れることができないのならば,いっそのことそのリスクも理解した上で組織をつくるという理詰めの選択の結果が,あの「20 % ルール」なのです。(位置 No. 1949)

20 % ルールを意識して,新しいプロジェクトの構想を練っておこう。

本当に重要なのは,自分自身のそのときの認識ではなく,進化のパターンから導き出される未来の方に賭けられるかどうかです。9 割の人がその未来を予見できたタイミングで意思決定をしても手遅れです。誰の目にもわかってしまえば,チャンスはチャンスではなくなります。

リアルタイムの状況を見ると自分も含めて誰もがそうは思えないのだけれど,原理を突き詰めていくと必ずそうなるだろうという未来にこそ,投資をする必要があります。(位置 No. 2567)

未来に先回りした投資を心がける。

その意味では,イノベーターとは,まったくゼロから新しいものを創造する人たちではなく,少し先の未来を見通して先回りができる人たちなのだといえるかもしれません。

誰がいつ実現するかは最後までわかりません。しかし,何が起きるかについては,おおよその流れはすでに決まっています。人が未来をつくるのではなく,未来のほうが誰かに変えられるのをまっているのです。適切なタイミングでリソースを揃えた人間が,その成果を手にします。(位置 No. 2611)

少し先の未来を見通して先回りできれば,イノベーターになれる。

未来に先回りする思考法

未来に先回りする思考法