2021年9月6日作成
『誤解だらけの人工知能 ディープラーニングの限界と可能性』(田中 潤,松本 健太郎,光文社,2018年2月20日)を読了。
「マシンパワー」と「完全な記憶」という 2 つのメリットを使って,人間に勝つ方法があるはずだという発想に立って人工知能を開発している研究者がほとんどでしょう。(位置 No. 452)
コンピュータが得意なことを活かせれば,人間に勝つことができる。
ディープラーニングのメリットとして「学習のさせ方が楽」「高次元の学習が可能」「過学習をしなくなった」「柔軟性に優れている」の 4 つを挙げました。
次に,デメリットとして指摘したいのは,数字や言葉などデータとして表現できないものを人間のように読み取る力が全くない点です。(位置 No. 684)
ディープラーニングの活かし方を考える。将棋や囲碁のソフトウェアは,ディープラーニングを活かすには,もってこいだ。
情報学科のある大学でも,ディープラーニングが次に来るというのは,2012 年くらいまでほとんど予想されていませんでした。ですから,ディープラーニングをしっかり学習した大学生,院生,研究者は想像以上に少ないのです。社会人になって,自分で勉強して習得しようとしている人材の方がむしろ多いのでしょう。(位置 No. 1129)
私が大学生,大学院生だったころ,機械学習の存在は知っていたが,ディープラーニングの存在は知らなかった。
ディープラーニングの存在とその可能性に,いち早く気づいていれば・・・。気づいたとしても,価値を生み出せたか,と言われれば,その可能性は低いだろう。
データを貯める,なるべくディープラーニングで活用しやすいよう,デジタルな環境に自然と蓄積できるようにする,これは経営者が号令をかけるしかないです。今までと違う業務を新たに始めてください,って話ですから。
結局,質の高いデータの準備も,組織を説得するのも,ディープラーニングを分かった人材がいないと速度が出ないというのが今のところの結論です。人材が最大の制約事項です。圧倒的に人材不足です。人材不足が日本におけるディープラーニングの浸透を阻害しています。(位置 No. 1226)
ディープラーニングを分かった人材になり,データが貯まっていく仕組みを作っていく。
つまり大量のデータを集めて,それをもとにモデルを作成できて,なおかつオープンソースで公開できる企業は,この先めちゃくちゃ強いでしょうね。それができるパワーと,時間と,人が集まっているわけですからね。(位置 No. 1858)
GAFA は,パワー(お金?)と人が集まっているので,大量のデータを集めて,色々なものを提供してくれる。
結局のところ,人工知能はテクノロジーに過ぎません。労働の代替になったとしても,人間の代替にはなり得ないのです。自分の人生をどのように生きるかという生き方までは人工知能に奪われません。
人工知能について考えるのは,実際のところ,未来にどのような生き方をしていくのかを考えるのと一緒です。(位置 No. 2315)
10 年後,20 年後,自分はどんな価値を社会に対して提供できるか,ということを自問する。