2019年12月22日更新
澤昭裕の『精神論ぬきの電力入門』(新潮新書)を読了しました。澤氏は通商産業省(現経済産業省)環境政策課長などを務めた電力関係の政策担当者であります。
書かれている内容は以下の通りです。
- 電力不足の打撃と損失
- 原発依存にかたむいた事情
- エネルギー政策の基礎とルール
- 再生可能エネルギーの不都合な真実
- 原子力をめぐる不毛な議論
- 賠償を抱えた東電の行く末
- 電力自由化の空論と誤解
- 「東日本卸電力」という発送の転換
感情を排して,冷静に電力政策について語られていることに共感を覚えました。福島第一原発の事故以降,原発に向けられる目は非常に厳しくなっております。原子力は現在,人類が取り扱えるエネルギーのうち,資源に乏しい日本にとってはもっとも大切なものですが,世論がそれを拒んでいます。
「脱原発」を掲げる人にも意見はあるはずですが,感情論に走らず,冷静に議論を続けて,日本にとって原発は必要か否かを判断してほしいものです。