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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

コレステロールは高いほうが心臓病,脳卒中,がんになりにくい

健康診断の血液検査で,LDL コレステロールが基準値を超えているため,『コレステロールは高いほうが心臓病,脳卒中,がんになりにくい』(奥山治美,主婦の友社,2012年4月10日)を読了。

一般的には,「コレステロールが血管壁にこびりついて,血管が詰まったり,血管にダメージを与えて,動脈硬化を進める」と考えられています。しかし,動脈硬化コレステロール値が高いと進行するという単純なものではないことが,近年のさまざまな研究で明らかになってきています。(位置 No. 269)

そんな単純なものなら,動脈硬化は未然に防止できる。

動脈硬化を防ぐために大事なことは,コレステロール値を云々するのではなく,摂取する脂肪酸のバランスを考えること。魚を食べてオメガ 3 系の脂肪酸を増やし,オメガ 6 系の脂肪酸を減らすという食事療法がおすすめです。(位置 No. 295)

食事の内容は気をつけた方がよさそう,というのは体感できる。

LDL - コレステロールは体内に入りこんだ菌やウイルスの毒素を中和する働きも持っています。ですから LDL - コレステロール値が高い人のほうが菌を中和する力も強く,感染症にかかりにくいといえるでしょう。

実際,疫学調査では家族性高コレステロール血症の人で LDL - コレステロール値が高い人は感染症による死亡率が低く,また,一般人でも LDL - コレステロール値が高いほど,肺炎による死亡率が低いというデータがあります。(位置 No. 330)

LDL コレステロールが高いからといって,悲観的にならない。

私が,新型コロナウィルスに一度もかからなかったは,LDL コレステロールのおかげだったのか。

実際,健康診断などで LDL-コレステロール値が 140 ml/dl 以上の人のほとんどが,コレステロール値を下げる薬を処方されていると思います。しかし,この薬が実はやっかいな面があるのです。

その薬を飲めば確かにコレステロール値は下がります。しかし,薬を飲んでも心筋梗塞脳梗塞などは防げません。コレステロール値を下げるだけしか,効果がないのです。(位置 No. 468)

健康診断でいい点数をとるために,薬を飲むなんて目的を見失っていると思う。

スタチン剤には発がん,神経炎,性機能障害,認知障害,記憶喪失,催奇形性などの副作用が認められます。スタチン剤を絶対に使うべきではないとまではいえませんが,これらの副作用と予防効果を考えると,その使用については,もっと慎重に考慮すべきではないでしょうか。(位置 No. 627)

医師にスタチン剤の副作用を聞いたが,上記のようなことは言ってくれなかった。

スタチン剤と発がんについてのメカニズムは,完全には解明されていませんが,おそらく次のようなことが関係するのではないかと考えられます。(位置 No. 910)

  • がん細胞を殺す免疫細胞である NK(ナチュラルキラー)細胞の腫瘍細胞認識機能が,スタチン剤によって低下する
  • がん細胞を殺す NK 細胞の増殖にはコレステロールが必要なのに,スタチン剤がその合成を抑えている
  • コレステロール合成の過程でスタチン剤がイソプレニル中間体のレベルを低下させるため,その電子伝達系を障害し,虚血・炎症に導き,発がんを促進する
  • スタチン剤によってアラキドン酸が上昇し,それに伴ってアラキドン酸カスケードも亢進して発がん促進にいたる
  • スタチン濃度の日内変動に伴うイソプレニル中間体の上昇の日内変動が発がん遺伝子産物を活性化する

最近できた人工物の副作用なんて,全て明らかになっているとは到底思えない。