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大前研一 日本の論点 2015~16

2020年1月13日更新

大前研一 日本の論点 2015 ~ 16』(大前研一,プレジデント社,2014年11月19日 第一刷)を読了。

課題はいつの時代もある。だから参謀のタネは尽きない。『企業参謀』では,「参謀五戒」という形で参謀の心得を説いている。(pp. 42 - 43)

  1. 参謀たるもの,「イフ」という言葉に対する本能的恐れを捨てよ
  2. 参謀たるもの,完全主義を捨てよ
  3. KFS(Key Factors for Success 戦略の成功の鍵)に徹底的に挑戦せよ
  4. 制約条件に制約されるな
  5. 記憶に頼らず分析を

 課題はいつの時代にもあるのだから,課題解決力を身につければ,いつの時代にも長方される。

オーストラリアというと資源国だから調子がいいと思われがちだが,ポイントはそこではない。移民政策によって新興国と同じようなデモグラフィ(人口動態)になっている。それだけ若さとエネルギーに溢れているのだ。(p. 114)

 若さとエネルギーに溢れていなければ,調子が上がらない。
国や会社に若さとエネルギーを注入する。

人によって違うのは当たり前だが,自分の体を維持するためにどれくらいの食費をかけているか,考えてほしい。胃に入れる金額と頭に(情報を)入れる金額を同じにしろ!というのが私のアドバイスである。(p. 127)

 情報を仕入れるためのお金は惜しまない。

原子力開発に関しては,エネルギー戦略とニュークリア(核)戦略を表裏一体で進めてきた経緯がある。表向きは「持たず,つくらず,持ち込ませず」という非核三原則原子力の平和利用を謳いながら,いざとなったら 90 日以内に核兵器が製造できるニュークリアレディ国(核準備国,準保有国)を自民党政府は目指してきた。(p. 130)

 原子力を完全に手放すことは,核を手放すこと。

そもそもエネルギー政策というものは,高度な専門知識が必要で,長期的かつ地政学的な視野に立って戦略を策定しなければならない。ところが民主党政権は国民に十分な情報を与えないで,「2030 年の原発比率は,0 %,15 %,20 ~ 25 %,さてどれがいい?」と選択肢だけを提示したのである。(pp. 132 - 133)

 エネルギー政策は,多数決で決めるようなものではない。

活断層に関する議論は,全くと言っていいほど意味がない。活断層は将来的に活動の恐れがある(地震が起きる)と予測される断層であるが,原発地震に耐えられるように設計されている。過去に世界で観測されたもっとも強力な活断層型の地震は,2007 年 7 月の新潟県中越沖地震だが,直撃を受けた柏崎刈羽原発はすべて正常にスクラム(緊急停止)している。(p. 144)

 活断層に関する議論を繰り返したところで,確率の問題に過ぎない。

現在の再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(フィード・イン・タリフ=FIT)のように,「1 kWh 42 円で買い取ります」なんて大甘なことを言っていると,収集がつかなくなる。しかも買い取り義務があるため,高いからといって中止すれば訴訟問題に発展する可能性もある。そういう事態に陥らないよう適切な「買い取り価格」を提示する必要がある。(pp. 153 -154)

固定価格買い取り制度を活用できた人は,うまいことをやったというしかない。

以上のように発電の完全自由化,一社公営の高圧送電,九社の地域独占による配電,原発公営化という形で電気事業を四部門に再編すれば,潤沢で安定的な電力供給と低コスト化が実現できると私は考えている。福島第一原発事故の不幸からまだ立ち直っていないが,安倍政権は役所の縄張り争いに巻き込まれずに大局的な観点からここで述べたような大胆な改革をぜひ推し進めてもらいたい。(p. 157)

電気事業の再編は,可能性としてありうる。
避けられないものとして,準備しておく。

集団的自衛権国連憲章の第 51 条で国連の加盟国に認められている自衛権の一種だが,日本政府は「国際法上,主権国家であるわが国も集団的自衛権は有しているが,それを行使することは憲法第 9 条が容認する自衛権の限界を超える」という立場を取ってきた。(p. 181)

 集団的自衛権については,はっきり憲法に謳うべき。

日本人の右傾化は最近の 20 年間の閉塞状況の裏返しではないか,と思われる。日本では戦争の総括をする暇もなく戦後の大躍進が始まってしまったし,アジアにおける日本の将来像を描ききる指導者も出てきていない。「脳ある鷹は爪を隠す」を体現して成功しているのがドイツで,落日の劣等感の裏返しで,爪をむき出しにしているのが日本なのではないか。(pp. 212 - 213)

 落日の劣等感を認め,新しい日本の将来像を考えるべきときではないか。

デュアル(二元的)とは「理論と実践」のこと。職業学校に通いながら理論的なことを学ぶ一方で,民間企業などの現場で実際に仕事をしながら実践的に学ぶ。理論教育と実践教育,両面から職業人としてのキャリアを積ませるシステムが「デュアルシステム」なのだ。(p. 227)

 理論だけではダメ,実践だけでもダメ,デュアルシステムを教育に取り入れていく。

デカダンス(退廃主義)に陥るよりも,国の将来を憂うほうがいい。占拠した学生は将来の台湾を担う人材としてもはるかに有望だ。馬政権としてもそういう空気を読んだから,三週間以上も国会から彼らを強制排除しなかったのだろう。しかし,彼らの危惧は「敗北主義」で実態を知ったうえのものではない。そうはっきり言えるのは(私のような)日本の安保世代の人間だけだろう。飛行機に乗って,それを言いに行きたい衝動に駆られた。(p. 243)

 国の将来を憂うとき,私はどのような行動をとればよいだろうか。

米ソ冷戦下で始まった自民党政権の外交はきわめて特殊で,近隣諸国との非常に重要な案件に関して,吉田茂佐藤栄作田中角栄など,時の指導者が「密約ベース」で外交関係を築いてきた。それは第一の特質に挙げた中央集権主義とは矛盾した“属人的な外交”であり,その内容を文書として残していない(残っているかもしれないが,外務省は残っていないと言う)。(p. 274)

 属人的な仕事のやり方も,ときには必要。

自分ではない人の意見を代弁させて,自分の意見のどこに間違いがあるかを知らしめるのがソクラテスの対話法の極意。アメリカのジャーナリズム学校では「ソクラテスの対話」を学ぶし,一般企業の部課長のトレーニングにも使われている。(pp. 302 - 303)

私の身の回りにも「ソクラテスの対話」を取り入れている人がいるかもしれない。

北朝鮮の核問題を話し合う六カ国協議の場で,拉致問題にこだわり続ける日本は邪魔者でしかない。それでも協議の場に呼ばれるのは,解放された暁には北朝鮮開発の「金づる」となることが期待されているからだ。挑戦半島における日本の役回りは,それ以上でもそれ以下でもない。(p. 317)

拉致問題の重要性は,いかほどのものか。

大前研一 日本の論点 2015~16

大前研一 日本の論点 2015~16