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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

孫子の兵法

孫子の兵法』(守屋 洋,三笠書房1984年10月16日)を読了。

「勝算がなければ戦わない」(謀攻篇)というのが『孫子』の基本認識である。自国の戦力,彼我の優劣を検討するのは,みな勝算のあるなしを明らかにするためである。それは可能であり,しかも必要不可欠な前提であると孫武は考えている。(位置 No. 328)

勝算があるときしか,戦わないようにする。

現代の企業経営においても,ゴー・サインは誰にでも出しやすい。トップとしての資格が問われるのは,形勢利あらず,劣勢に立たされたときの判断である。撤退の時期を誤らないことこそすぐれた経営者の条件といえる。(位置 No. 541)

個人投資家でも,投資することは決断しやすいが,投資から撤退することは判断しにくい。自らの投資判断を否定したくないからだ,とわかっていても。

わたしが『孫子』から学んだ最も面白いと思う部分は,「兵は拙速なるを聞くも,未だ巧の久しきをみざるなり(戦争には完全でなくても素早くやる "拙速" というのはあるが,完全主義でぐずぐずしてうまくゆく "巧久" という例はまだ見たことがない)」,という箇所である。(位置 No. 2330)

完全主義でぐずぐずしていても,うまくいくことはない。

わたしはこの話を子どものころ愛読していた雑誌『キング』で読んで,ショッキングだったことを覚えているが,命令を徹底させてもいうことを聞かなければ遠慮なく責任者の首を切る,こういうのが『孫子』である。『論語』とちがって自分の修養のためではないのだ。(位置 No. 2372)

命令を徹底させるためには,非情にならなければならないときがある。