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現役サラリーマンのスキルアップのための読書まとめ

<危機>の正体 佐藤 優・富岡 幸一郎

2021年4月5日

『<危機>の正体』(佐藤 優・富岡 幸一郎,講談社,2019年11月1日)を読了。

ねじまき鳥がねじを巻かないと,世界が動かないんだ。でも誰もそんなことは知らない。世の中の人々はみんなもっと立派で複雑で巨大な装置がしっかりと世界を動かしていると思っている。(村上 春樹『ねじまきクロニクル*1』,位置 No. 328)

世の中を動かしているのは,ねじまき鳥がねじを巻いているから,と考えると,明日も頑張ろうという気になれる。

一方,ねじまき鳥がねじを巻かなくても世の中は動いている,と考えると,明日は頑張れない。

ヴェーバー*2 は,資本主義が拝金主義と化した果てに現れるものを,「末人*3」と呼びました。末人とは何かというと,「「精神のない専門人,心情のない享楽人。この無のものは,人間性のかつて達したことのない段階にまですでに登りつめた,と自惚れるだろう」と」。(位置 No. 879)

お金のためではなく,意義のために生きる。

〈危機〉の正体

〈危機〉の正体

 

*1:村上 春樹の 8 作目の長編小説。

*2:マックス・ヴェーバー

*3:まつじん。フリードリヒ・ニーチェによる哲学によって用いられている概念。『ツァラトゥストラはこう語った』で述べられ,超人の対極にあり,最低の軽蔑すべき者とのこと。